種別 論文
主題 鉄筋コンクリート壁式構造における北側構面に関する実験的研究
副題
筆頭著者 遠藤利根穂(東京都立大学)
連名者1 清水泰(東京都立大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
2
先頭ページ 417
末尾ページ 420
年度 1980
要旨 1.まえがき
 3〜5層の共同住宅の多くは、柱のない平面形をした鉄筋コンクリート壁式構造が採用されている。同構造は日本建築学会の規準*1に従って設計されており、設計の際骨組の応力解析はほとんどの場合行われていない。一方同構造は複雑な形状をしているため応力の精解を得ることはきわめて困難である。同構造に関して、壁単体の実験*2*3、構面の実験*4、柱はり接合部の実験*5、実大建物の実験等*6*7が報告されている。とくに、構面や実大建物に水平力を加えた実験の結果によると、北側の構面に水平力が集中し、他の構面に比して早期にせん断破壊し、建物全体の最大耐力時において破壊が著しい。(写真−1参照)これは、一般的に共同住宅の北側構面は便所、浴室等に接しているため、壁と小開口を必要とし、形状が通常のラーメン骨組とかなり異り、剛性が高くかつ脆いからである。上記規準においては、5階建までを階数の限度としているが、より高層の上記構造が規準によらずに建てられており、またこのような場合においては、靱性を設計上の要因としてより重んずることも必要になる可能性が大きい。本研究は、8階建の上記構造の共同住宅の北側構面を対象としており、5階建の共伺住宅に比してより厚い壁、縦長にまとめた開口部の中にさらに薄い2次壁を設け、2次壁に小開口を設けた構面の1/2模型試験体に関して、一定の鉛直力と正負繰返しを加えた実験を報告するものである。
5.結論
 (1)3試験体の最大耐力の比は0.9:1:0.95であり、2次壁を持つ試験体の耐力は多少高いが、3者の差ははとんどないといえよう。(2)2次壁のある試験体の水平荷重は部材角1/50までは、構造計算上想定した骨組みを上廻っており、2次壁による悪影響はこの範囲では認められない。ただし、より影響力の大きい2次壁の形状も考えられる。
PDFファイル名 002-01-0105.pdf


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