種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート橋脚の動的破壊に関する基礎実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 町田篤彦(埼玉大学) |
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キーワード | |
巻 | 2 |
号 | |
先頭ページ | 429 |
末尾ページ | 432 |
年度 | 1980 |
要旨 | 1.まえがき 地震のような動的外力を受ける鉄筋コンクリート構造物を合理的に設計するには、その破壊性状を解明することが重要であることは論を俟たない。しかし、鉄筋コンクリート土木構造物については、これが動的外力を受ける場合の破壊性状に関する研究成果が極めて少く、その性状が十分に解明されたとは言い難い。鉄筋コンクリート建築構造物あるいは部材に関しては、静的な外力を正負繰返して載荷する実験研究によって相当の研究成果が蓄積されているが、これとても、振動実験による検証は未だ十分ではないと思われる。本研究は、鉄筋コンクリート構造物が動的外力によって破壊する場合の性状を解明することを究極の目的とするものであって、構造物としては極めて単純な構造型式である単一柱式橋脚をとりあげ、これを摸した小型の供試体を用いて、静的正負繰返し載荷実験および振動実験によってこれを破壊に至らしめた結果に基き、いかなる動的外力が作用すればこの種の橋脚に破壊の危険が生ずるかを論じようとするものである。 6.むすび 鉄筋コンクリート土木構造物の一例として、単一柱式橋脚をとりあげ、これにいかなる動的外力が作用すれば破壊の危険があるかを論じようとした。実際の橋脚に比し著るしく小型の供試体しか用い得なかった上、その断面性状も限定されているので、本実験の結果をそのまま実際の橋脚に適用することは出来ない。しかしながら、鉄筋コンクリート橋脚が動的外力によって破壊する場合、静的正負繰返し載荷実験から期待される程の靱性は有しないこと、動的外力による破壊変位は静的載荷の場合の鉄筋が降伏した時の変位の2倍あるいは荷重が最大に達したときの変位程度と考えられること、橋脚を破壊に至らしめ得る外力の振動数は、鉄筋が降伏した時の振動数から、降伏点に達した時の3倍の変位を生じた場合の固有振動数までの範囲がその目安となること、等が明らかとなったのであって、この種の橋脚を耐震設計する場合の一資料は提供出来たと思われる。本研究の一部は、昭和51、52年度科学研究費補助金(試験研究)によったものである。また、研究の実施にあたっては、元大学院生露口雄次君(現、新日本技術コンサルタント)をはじめとする多くの埼玉大学コンクリート研究室卒論生の方々にご援助頂いた。ここに記して厚くお礼申上げる。 |
PDFファイル名 | 002-01-0108.pdf |