種別 論文
主題 曲げおよびせん断を受ける鉄筋コンクリートばりの強度と変形に関する研究
副題
筆頭著者 中沢隆雄(宮崎大学)
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キーワード
2
先頭ページ 437
末尾ページ 440
年度 1980
要旨 1.まえがき
 本報告は、鉄筋コンクリート部材のせん断性状の中で、特に、曲げとせん断の組み合わせ荷重を受ける場合の解析手法を提案し、提案理論の適用性ならびに問題点を、明らかにすることを目的としたものである。理論の骨子は、部材を線材とみなして解析を進めるはり理論であるが、破壊面が二次元的な広がりを見せる、鉄筋コンクリート部材に対して、その適用には限界があるとされてきた。しかるに、本理論は、曲げとせん断を受ける部材が、曲げひびわれの発生によつて、くし歯構造に移行した場合、曲げひびわれ間の、いわゆるコンクリートくし歯の挙動から、せん断性状を把握しうるという、Kani1)らの、”Teeth理論”を基礎に、コンクリートくし歯の変形によつて生じる、見かけ上の付加ひずみの概念を用いて、二次元的な破壊現象を解析しうるよう展開、応用したものである。対象部材は、鉄筋比およびせん断アーム比が種々変化する、腹鉄筋のない長方形断面の単鉄筋コンクリート単純ばりであり、これらの部材を、提案はり理論を用いて解析した。さらに、理論の妥当性を確かめるために、有限要素法による二次元非線形解析もあわせて行い、実験結果ならびに他の計算手法による解とも比較した。ここでは、えられた結果の中で、特に、鉄筋比およびせん断アーム比が、斜めひびわれ荷重、破壊荷重ならびに変形性状に及ぼす影響について検討した結果を報告する。
4.むすび
 以上の結果から、はり理論は、極めて大きな計算容量を必要とする有限要素法や、他の種々の提案諸法に比較して、同等あるいはそれ以上によく、斜めひびわれ荷重、破壊荷重およびたわみを推定できることを立証している。しかし、本来くし歯理論は、曲げひびわれが徐々に傾斜して、斜めひびわれとなって破壊に至る、曲げせん断破壊に対する理論であって、現在のところ、はり理論によって、この種の破壊現象を示すはりを解析することは可能といえるが、さらに種々のせん断破壊性状を示すはりに対する適用性を検討するために、鉄筋比を4.84%まで高めたはりの実験を行っており、それらの結果は、後日に発表予定である。
PDFファイル名 002-01-0110.pdf


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