種別 | 論文 |
主題 | 高強度プレストレストコンクリート梁のせん断強さに関する基礎研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 船越稔(広島大学工学部) |
連名者1 | 岡本享久(広島大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 2 |
号 | |
先頭ページ | 489 |
末尾ページ | 492 |
年度 | 1980 |
要旨 | 1.緒言 本研究は高強度コンクリートを使用したプレストレストコンクリート梁のせん断強さおよび破壊性状について実験を行ない検討を加えたもので、高強度プレストレストコンクリート部材のせん断力に対する設計方法に関連した資料を得ることを目的としている。すなわち、I形断面プレストレストコンクリート単純梁を用い、コンクリートの強度、せん断スパンと有効高さの比、せん断補強率および導入プレストレスを変えて破壊試験を行ない、せん断破壊を起こした梁の耐力、変形および破壊の性状について検討を行なったものである。近年、高性能減水剤の開発利用により800kg/cm2〜1000kg/cm2の高強度を有するコンクリートを比較的容易に造ることが可能となり、新しい構造形式のコンクリート構造物、たとえばPCトラス橋、PC斜張橋などに適用され有利点が生かされている。しかしながら、土木学会昭和53年度制定プレストレストコンクリート示方書には設計に際し、コンクリートの圧縮強度600kg/cm2までの規定しかなく、それ以上の強度を用いたPC構造物では示方書を準用した形で設計を行なっているのが現状である。従って、高強度コンクリートを用いたプレストレストコンクリート部材のせん断力に対する性状も十分に解決されてなく、早急に設計に関する基礎資料の集積が必要とされている。本実験ではPC示方書に準じて導入プレストレスをコンクリートの圧縮強度に応じて直線的に変化させ、高強度プレストレストコンクリート梁のせん断強さに検討を加えたものである。 4.結び 高強度PC梁のせん断破壊特性を調べる目的で破壊試験を行ない結果に検討を加えた。本研究の範囲内で得られた結果を要約すると次の通りである。(1)コンクリートの強度に応じてプレストレスの値を変えたPC梁の斜ひびわれ強さは、σCの増加に伴ない大略直線的に増加する。(2)腹部圧砕に近い破壊形式のPC梁供試体のせん断強さはコンクリート強度の影響を顕著に受ける。(3)腹鉄筋のせん断補強効果にコンクリートの強度が影響することが認められた。(4)800kg/cm2程度以上の高強度PC梁の破壊は、これ以下の強度の場合にくらべて極めて厳しく、破壊の形式も異なった様相を示す。(5)σCに応じて導入プレストレスを高めた高強度PC梁の公称せん断応力の上限値と圧縮強度の比は、コンクリート強度が大なる程低い値となった。本研究の実験の実施に当たり、学部4年池田雅敏君より多大な援助を受けました。ここに謝意を表明します。 |
PDFファイル名 | 002-01-0123.pdf |