種別 委員会報告
主題 マスコンクリートの温度応力研究委員会報告
副題
筆頭著者 田辺忠顕(名古屋大学)
連名者1 梅原秀哲(名古屋工業大学)
連名者2 小野定(清水建設)
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 11
末尾ページ 18
年度 1998
要旨 第一次のマスコンクリート温度応力委員会が発足したのは1981年であり、委員会が途切れたり、委員が交替したりしたものの、基本的に継続性は保たれ、本年で委員会活動は17年になる。第一次委員会では、広範な文献調査から始めてState of the Art Reportの作成、次いで、CP法、CL法なる当委員会独自の簡易温度応力解析法の提案を行った。第二次温度応力委員会の発足は、1992年であり、温度応力によるひび割れ幅の制御を目指して、新たなひび割れ幅解析理論をCP法、CL法の拡張として提案した。同時にFEMによるひび割れ幅の簡易解析もCP法と同様に等価付着損失長さの概念を用いて提案した。幸いにこれらの結果は広く初期温度応力問題に取り組まれている技術者に受け入れられている。しかし、これらの使用に伴って問題点も指摘されるようになり、特に委員会が示した外部拘束係数の規定範囲が狭いこと、層状打設の場合の外部拘束係数が十分に明らかにされていない事が指摘された。これらを受けて第三次の温度応力委員会が発足したのは、1995年であり、外部拘束係数の範囲を拡張すると同時に層状打設の場合の精度良い外部拘束係数を同定し直すことにした。今回、新たに提案した外部拘束係数は、3次元場が対象であり、層状打設の壁状構造物の温度応力が直ちに推定できるようになっている。したがって、従来の外部拘束係数とオーバーラップする部分もあるが、より広い意味でのCL、CP法の適用範囲の拡大がなされたと考えて頂いてよい。これにより、壁状層状打設の場合のひび割れ幅制御も精度が向上したと考えている。また、本委員会では、全く外部拘束係数を使用しない簡易温度応力計算法の可能性について検討した。その結果、FEMの計算を通じてヒントが示唆され、将来、有望であるとの感触が得られた。昨年の本大会で本委員会活動の中間報告が行われていることから、ここでは、過去3年間の活動で得られた主な成果をとりまとめた。3年間にわたる委員会活動で得られた主な成果を列挙すれば次の通りである。(1)我が国で使用されている幾つかの3次元温度応力解析プログラムの比較検討を行い、各プログラムの定量的な関係を把握した。(2)L/HおよびEc/Erをパラメーターにした壁状コンクリート構造物の3次元温度応力解析を行った。(3)3次元解析の結果、L/Hが3以上で、全ひずみの直線性が保たれることが確認された。(4)3次元解析結果を基にして、外部拘束係数(軸拘束係数、曲げ拘束係数)を同定した。(5)3次元解析結果から同定した外部拘束係数と3次元解析結果との比較検討により、新たに同定した外部拘束係数が妥当なものであることを確認した。(6)3次元解析結果から同定した外部拘束係数と従来の係数との比較検討により、新たに同定した外部拘束係数がより的確な係数であることを確認した。(7)3次元解析結果を基にして同定した外部拘束係数(軸拘束係数、曲げ拘束係数)を、新たにCP法(CL法)に適用する外部拘束係数として提案した。(8)外部拘束係数を用いないCP法(区分CP法)の定式化を行い、将来的に外部拘束係数を用いない温度応力の計算法が有望であることを示した。(9)実構造物における実測値との比較により、新たに提案した外部拘束係数の適用性を確認した。今回の委員会活動で、外部拘束係数の見直しと適用範囲の拡大を図ることができた。これにより、現行のCP法の計算精度が向上していくものと期待している。
PDFファイル名 020-03-0002.pdf


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