種別 | 委員会報告 |
主題 | 高性能軽量コンクリート研究委員会報告 |
副題 | |
筆頭著者 | 国府勝郎(東京都立大学) |
連名者1 | 阿部道彦(建設省) |
連名者2 | 橘大介(清水建設) |
連名者3 | 岡本享久(太平洋セメント) |
連名者4 | 小林克己(福井大学) |
連名者5 | 杉山隆文(群馬大学) |
キーワード | |
巻 | 22 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1 |
末尾ページ | 10 |
年度 | 2000 |
要旨 | はじめに わが国では、1924年頃より天然軽量骨材を用いたコンクリートの軽量化に関する研究が行われており、1950年代に大島、浅間、榛名などの火山礫を用いた軽量コンクリートが実用化され、1955年にはJIS A5002として軽量骨材が規格化されている。そして、天然骨材に替わる人工軽量骨材の製造の必要性が叫ばれ、1964年に品質の安定した人工軽量骨材が市販されるようになった。その後、1973年のオイルショックまでの間、高度成長経済下における建設需要に支えられて、建築および土木構造物の建設に軽量コンクリートが利用された。しかし、軽量骨材のコストパフォーマンスと骨材強度自体が低いことに起因するコンクリート強度の実用的限界が存在するため、コンクリートの高強度化の趨勢に軽量コンクリートが対応できず、その後の普及は低迷している。 しかし、最近新しい原料と製法による高品質な骨材の開発や、フライアッシュなどの副産資源を活用した各種の軽量骨材の開発もなされ、これらを用いた軽量コンクリートの品質が広がってきている。膨張頁岩を原料とした従来製法の軽量骨材コンクリートに比べて、高強度で耐久性に富む軽量コンクリートが製造可能になったこと、副産物を有効活用した軽量骨材コンクリートの利用分野を開拓する必要があること、省資源と省エネルギーの要請に対する建設技術の見直しなどが必要となってきている。 高性能軽量コンクリート研究委員会は、このような状況を背景として、1998年からの2年間にわたって、軽量コンクリートの多様な性能の見直しとその利用技術を検討することとした。すなわち、従来からの人工軽量骨材ばかりでなく、最近新しく開発された軽量骨材およびこれらを用いた軽量コンクリートの品質や性能、試験方法などについて現状をとりまとめるとともに、軽量コンクリートの実構造物への適用技術について検討したものである。軽量コンクリートは、密度の小さな軽量骨材を用いる方法、軽量気泡モルタルのように発泡性の混和剤などを用いて起泡作用によって軽量化する方法があるが、本委員会では、軽量骨材を用いた軽量コンクリートに対象を限定している。 おわりに 軽量コンクリートの多様な性能の見直しを目指して、従来型のJIS軽量骨材に加えて、最近開発されている新しい人工軽量骨材の特性、及びこれらを用いたコンクリートの品質や部材の性能についての現状をまとめた。また、実構造部への適用技術についても検討を加えた。軽量コンクリートの今後の新たな展開が期待される。 |
PDFファイル名 | 022-03-0001.pdf |