種別 | 委員会報告 |
主題 | 複合劣化コンクリート構造物の評価と維持管理計画研究委員会報告 |
副題 | |
筆頭著者 | 宮川豊章(京都大学) |
連名者1 | 桝田佳寛(宇都宮大学) |
連名者2 | 野口貴文(東京大学) |
連名者3 | 出村克宣(日本大学) |
連名者4 | 守分敦郎(東亜建設工業) |
連名者5 | 濱田秀則(港湾空港技術研究所) |
キーワード | |
巻 | 23 |
号 | 1 |
先頭ページ | 1 |
末尾ページ | 10 |
年度 | 2001 |
要旨 | 1.設立の背景および目的 コンクリート構造物の劣化現象解明に関する研究は、ここ20年の間に大きく進み、個々の劣化現象については、ある程度の状況把握と基本的な対策の提示ができるまでに至っている。しかし、その一方で、コンクリート用材料の多様化やコンクリート構造物の適用環境の大幅な拡大によって、今日では、構造物に生じている劣化の原因を一つに特定できない状況が多くなりつつある。いわゆる複合劣化と呼ばれるこのような現象が工学上複雑なのは、劣化の組み合せが多種多様であるとともに、各劣化現象の相互作用によって、単独で生じた場合と異なる劣化形態を示すことがあり、劣化が単独で生じた場合を足し合わせたような単純なモデルでその劣化評価を行うことができないことである。 一方、現在まさに我が国は構造改革のまっただ中にあり、建設分野における構造物の考え方も20世紀の「造ってまかなう」建設主体から、21世紀には「守ってまかなう」維持管理主体へと大きく移行していくことは今や疑う余地はない。このような状況においては、構造物に対してより精度の高い耐久性の評価が望まれることになる。例えば、新設構造物の設計にあたっても、ライフサイクルを考慮して構造物のシナリオをデザインし、長期性能を照査することが極めて重要となり、これを確立するためには、上述の複合劣化問題は避けて通れない大きな問題となる。また、既存構造物における維持管理計画の観点からも、複合劣化問題は早急に取り組むべき重要な課題である。劣化の生じている構造物に対して確実な対策を施すためには、劣化現象を的確に把握し、より正確な劣化評価を行い、適材適所の工法および材料を選定することが最も重要である。 以上のことから、本委員会は、各種の複合劣化メカニズムを解明して、劣化の定量化を図るとともに、この問題に対する維持管理の在り方について検討を行うことを目的としている。なお、本委員会は、平成8年度〜9年度にかけて組織された「コンクリート構造物のリハビリテーション研究委員会」の後を受けて設立されたものであり、両委員会の成果は相互に補い合うものであることをここに明記しておく。 |
PDFファイル名 | 023-03-0001.pdf |