要旨 |
近年、免震や制震など地震応答の低減を図る技術を用いた構造物が増加している。1995年兵庫県南部地震以降、増加傾向は顕著であり、新設構造物のみならず既存構造物の耐震補強への適用例も増大している。また、最近の日米共同研究の対象となった「高知能建築物」では、新しい考え方の応答制御技術が取り上げられるなど、コンクリート構造物に応答制御技術を取り入れる動きは活発である。免震・制震技術を取り入れた構造物の設計は、構造評定を必要とするなど特殊な設計として扱われることが多く、あまり一般的ではない。また、こうした応答制御技術を取り入れた構造物の耐震性能評価は、それぞれの設計ごとに行われており、一般的な評価法は確立されていない。こうした現状を踏まえ、(1)免震・制震技術を用いて地震応答の低減を図るコンクリート構造物の耐震安全性評価やクライテリア設定のための共通手法について検討し、設計に資する、(2)新しい応答制御技術(材料、デバイス、スマート構造など)を探り実構造物への適用を検討する、ことを目的として本委員会の活動を進めてきた。この委員会は、免震技術を扱うWG1、制震技術を扱うWG2および新しい応答制御技術を扱うWG3から構成され、実質的な活動はこれらのWGで進められた。
|