要旨 |
20世紀における科学技術の発展は、我々に豊かな工業化社会をもたらしたが、その反面、自然破壊と大量の廃棄物の発生という地球環境問題を引き起こすこととなった。そのため、廃棄物の減量、リサイクルを含めた廃棄物の適正処理、すなわち「使い捨て社会から循環型社会への転換」は、今日、環境問題を考える上できわめて重要な課題となっている。一方、コンクリート関連産業は、その市場規模の大きさと、有効に廃棄物を活用できる可能性を持つ産業として、廃棄物の大量の受け入れを社会から期待されており、資源循環型社会の構築の中で、21世紀には大きな役割を担うと考えられる。このような社会的背景から、「廃棄物のコンクリート材料への再資源化研究委員会」が、2年間の活動予定で、平成13年4月に発足した。本委員会の活動目的は、各種廃棄物をリサイクル材として再利用する上でコンクリート工学がどのように貢献できるかを検討して取りまとめ、そのうち、ある程度の研究レベルにあり、コンクリート材料としての使用法、および当該リサイクル材を使用したコンクリートの使用法に関するガイドラインを提案することである。本委員会では、委員会内に「構造用再生コンクリート(WG1)」「無機系廃棄物等の適用(WG2)」「有機系廃棄物等の適用(WG3)」「環境安全性評価(WG4)」を設置した。ここでは、各WGの活動・検討内容を中心に報告する。 |