種別 論文
主題 流動化コンクリートの工学的性質に関する実験的研究
副題
筆頭著者 池田正志(竹中工務店技術研究所)
連名者1 岸谷孝一(東京大学)
連名者2 萬英雄(竹中工務店技術研究所)
連名者3 飯塚正則(花王石鹸和歌山研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 45
末尾ページ 48
年度 1981
要旨 1.まえがき
 流動化コンクリートは、わが国では建築用軟練りコンクリートの品質改善を目的に昭和50年から使用され始め、急速に普及しつつある。流動化コンクリートに関する報告も多く、流動化によるワーカピリチーの増大効果、流動化後の強度、乾燥収縮などの基礎的性質はほぼ明らかとなっている。しかし、実際の施工にあたっての、流動化コンクリートの振動締固めの性状、型わくの側圧、さらに硬化後の構造体の品質等に関する報告は非常に少ない。本報告は、実構造物における流動化コンクリートの標準的な施工方法を定めるための資料を得ることを目的として、RC造の実大試験体を用いて打込み実験を行ない、流動化コンクリートの施工性、構造体の性能などについて通常のコンクリートと比較・検討した結果をまとめたものである。
6.まとめ
 普通骨材を用いた流動化コンクリートの工学的性質に関する実験結果を要約すると以下のとおりである。(1)硬練りのレデーミクストコンクリーに流動化剤を添加することにより、ワーカビリチーの良好な流動化コンクリートが容易に得られ、流動化後の品質はベースコンクリートとほぼ同等で、通常の軟練りコンクリートに比べて静弾性係数、乾燥収縮等は優れている。(2)流動化コンクリートの軸に対する応答性は、通常の硬練りコンクリートより優れ、軟練りより劣る。(3)流動化コンクリートの側圧は、今回のような比較的遅い打上り速度において、通常の硬練りおよび軟練りコンクリートと同程度で液圧以下であり、流動化によって側圧が大きく増加することはない。(4)流動化コンクリートの壁体の打上り表面の気泡面積は、ベースコンクリートの約半分、通常の軟練りコンクリートの約2倍である。また、オーバーレイ合板をせき板として用いることにより気泡は半減する。(5)流動化コンクリートの壁体強度は通常のコンクリートとほぼ同等で、高さ方向の強度分布も同様である。(6)流動化化コンクリートの壁体の収縮ひずみは通常のコンクリートと同程度であるが、自由収縮ひずみの大きさから、流動化コンクリートの壁体内部の収縮応力は通常の軟練りコンクリートより小さいと考えられる。
PDFファイル名 003-01-0012.pdf


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