種別 論文
主題 セメントモルタルの強度,変形におよぼす含浸液体の表面張力の影響
副題
筆頭著者 大岸佐吉(名古屋工業大学)
連名者1 小野博宣(中部工業大学)
連名者2 棚橋勇(名古屋工業大学)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 101
末尾ページ 104
年度 1981
要旨 1.まえがき
 硬化したセメントモルタルおよびコンクリートの力学的挙動に及ぼす、内部含有水分の影響は大きく、内外で多くの研究報告がみられる。例えば岡田1)らは含水量の異なるコンクリートの圧縮強度に及ぼす歪エネルギー特性を、永松2)らはモルタルのクリープ破壊に及ぼす含有水分の影響を、田3)らは圧縮強度、疲労強度特性、クリープ挙動とコンクリート内部の水分との関係を示し、金子4)や松下5)もコンクリートの疲労特性が、飽水と気乾状態ではその差異が大であることを報告している。筆者らも6)7)、コンクリートの強度、変形、クリープ特性が、内部含有水分の影響を受けることを示したが、その様相は含有水分の変化に対し複雑であり、かつ、微妙に変化する特徴を有していることが知られた。この様な傾向は他の多孔質材料にも認められる。一方、堀8)、9)らは、表面張力の異なる各種液体に浸漬したセメントモルタルの強度が液体の表面エネルギーによって影響を受けることを示し、加藤10)らは同様の研究を石膏について行い界面エネルギーの効果として述べている。岡島11)、12)、13)らも、セメントモルタルにおける内部含有水分の影響について表面エネルギーの観点から考察し関係する内外の研究の動向、理論について言及している。このようにセメント水和物の力学的特性が内部含有水分の影響を受けることが示されたが、その要因は十分解明されたとはいえない。本研究は、セメントモルタルの力学的特性に及ぼす内部含有水分の影響を解明する目的で、異なる表面張力(エネルギー)を有する数種類の液体をセメントモルタルに含浸させ、その強度、弾性係数に及ぼす表面張力の影響について実験を行ったものである。
4.結論
 1)界面エネルギーの増加にともない、セメントモルタルの曲げ、圧縮、引張り強度および弾性係数は増える。たゞし、その影響の程度は、強度の種別によって異なる。2)セメントモルタルの乾燥割合と表面エネルギーとの関係は強度を媒介とする対応関係として示される。3)液体の表面エネルギーと強度の関係は、液体による膨張が寄与しているものと判断される。
PDFファイル名 003-01-0026.pdf


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