種別 論文
主題 鋼繊維補強コンクリートの摩耗について
副題
筆頭著者 犬塚雅生(北海道工業大学)
連名者1 堀口敬(北海道工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 209
末尾ページ 212
年度 1981
要旨 1.まえがき
 近年、寒地の道路面や水路面の磨耗による損害が問題とされ、その抵抗性を向上させて、構造物の耐用年限を延長することが望まれている。また、損害を受けた部分を修復することも多い。いずれの場合も、コンクリートの薄層オーバーレイが可能であれば、その利点は多い。しかし、コンクリート単味では構造本体との一体性を保つ点で不安定となり、適当な補強手段を必要とする。鋼繊維補強コンクリート(SFRC)とすることも、その解決方法の一案であり、材料としての力学的性質と摩耗性状に関する資料が必要である。一方、摩耗現象は、すり磨きやひつかき等の形態によつて影響因子もその寄与率も常に変化する。また、時間経過によつて生ずる現象であるため、結果が安定して得られる実験方法についても議論が多い。現在、入手可能なSFRCの摩耗についての資料は、対象とする構造物や状況について、その都度に計画されて得たものが多く、様々の研究成果を相互に比較することも難しい。本報告では、簡便で実験装置が得やすいという理由で、ロサンゼルス摩耗試験機を取り上げ、その摩耗減重量を、ドラムの回転数を500毎に区切つて測定した。この試験に取り扱つた因子は、(1)鋼繊維混入量 (2)養生条件 (3)単位セメント量 の3因子とし、L16の直交表に割当てた配合の供試体を用いた。また、この一連の試験に対応させて、(1)曲げ強度試験 (2)圧縮強度試験 (3)衝撃試験 を行ない、これら4シリーズの試験について分散分析を行ない、主効果の判定を行なうと共に、これらの試験シリーズ間の相関を求めた。なを、これらの試験は、同一の実験計画であるから、同一配合、同一養生の試料について、各シリーズの試験を行なつたものである。
4.結論
(1)衝撃摩耗を受けるSFRCでは養生の影響が大きく、若材令時の凍結融解が大きく摩耗抵抗を下げる傾向がある。(2)SFRCの摩耗抵抗の主効果は圧縮強度により推定することができる。(3)SFRCの摩耗シミュレーションは適当な前処理として一定回転数で摩耗させた後、ロサンゼルス試験の準用により安定した試験結果を得ることができる。(4)SFRCの衝撃抵抗は、他の性質と異なる影響因子を持つようであり、同一ポテンシャルエネルギーの繰返し衝撃に対する抵抗値はSF混入により飛躍的に改善される。(5)本実験の水準範囲内で圧縮強度と摩耗率との関係は図10のような直線関係にあるようである。
PDFファイル名 003-01-0053.pdf


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