種別 論文
主題 フレッシュモルタル・コンクリートの性質の経時変化に関する一実験
副題
筆頭著者 水口裕之(徳島大学)
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キーワード
3
先頭ページ 221
末尾ページ 224
年度 1981
要旨 1.まえがき
 コンクリートの施工を合理化するためには、フレッシュコンクリートが施工中に受ける流動状態でのコンクリートのマクロな性質を知るとともに、コンクリートの内部構造も明らかにすることが必要である。コンクリートが流動している状態での性質は、コンクリートに大きな変形や流動を与えた時の物性を測定することで知ることができるが、 コンクリートの内部構造やその時間的変化たとえは凝結過程を検討するためには、大きな外乱を与えるとすでに形成されている内部構造を破壊するので、大きな外乱を与えることなくその性質を測定しなけれはならない。現在、フレッシュコンクリートの流動状態での性質を知るためには、回転粘度計に代表される定常流動を用いた方法、三軸圧縮試験に代表される粉体工学的方法などが多く試みられている1)が、内部構造や凝結過程を検討するため外乱を小さくした測定方法を用いたものとしては、波動の伝幡性状2)角田ら3)4)、王井ら5)の振動式回転粘度計による研究がなされているが、その成果は少なく未解決のまま残されている。そこで、本研究では、フレッシュコンクリートの内部構造を検討する基礎資料を得るために、試料に大きな外乱を与えることなくその粘弾性的性質を測定することができるRaised Cosine Pulse法6)を用いて、フレッシュモルタル・コンクリートの複素弾性率などの周波数依存性および経時変化を測定し、若干の考察を加える。
4.まとめ
 以上述べてきたことをまとめると次のとおりである。(1)フレッシュモルタルやコンクリートは、降伏値を持つ弾塑粘性体である。(2)フレッシュモルタルやコンクリートは、内部構造が存在し、ある周波数で構造破壊速度の方が構造回復速度よりも速いことが考えられる。(3)モルタルでは、ペースト量一定の場合はセメント濃度、ペーストの品質が一定の場合は細骨材量が増加するすなわち固体粒子の体積濃度が高くなると複素弾性率は大きくなっている。(4)コンクリートでは、経過時間が短かい時には、本実験の配合要因の範囲では、(3)のような一定の傾向はなく、経過時間が長くなると配合要因の違いの影響が大きくなっている。(5)経過時間とともにコンクリートの複素弾性率は大きくなるが、モルタルでは、15分程度まで少し低下し、その後増加する配合がある。
PDFファイル名 003-01-0056.pdf


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