種別 | 論文 |
主題 | 樹脂固定方式によるねじふし鉄筋継手のクリープ特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 古津彰三(住友金属工業建設プロジェクト部) |
連名者1 | 高橋政司(住友金属工業建設中央技術研究所) |
連名者2 | 山崎章(住友金属工業建設第二技術開発部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 3 |
号 | |
先頭ページ | 273 |
末尾ページ | 276 |
年度 | 1981 |
要旨 | 1.まえがき ねじふし鉄筋は熱間圧延により棒鋼の表面に雄ねじふしを形成した異形鉄筋であり、この雄ねじふしに適合した雌ねじを有するカプラー、ナットによって容易に機械継手を構成することができる。しかしながら、熱間圧延のままの雄ねじふしは、機械加工による継手用カプラーの雌ねじに比べ、寸法精度は劣るため、これらを噛合させて継手を構成した場合、鉄筋の軸方同に“がた”が生じる。この“がた”を防止し継手に要求される剛性を確保するために、当社においては、カプラー両端に配した2個のナットにトルクを与えてカプラーとナット間の鉄筋に軸力を導入するトルク固定方式と、鉄筋の雄ねじふしと、カプラーの雌ねじふしとの間隙にエポキシ樹脂を充填し硬化させる樹脂固定方式の2つの方法を採用し、多くの現場使用実績を有しているが、ここでは、この樹脂固定方式における継手のクリープ特性を母材およびトルク固定方式と比較しながら調査した結果を報告する。 6.結論 樹脂固定方式継手は以上の結果から判断して、継手性能への樹脂のクリープの影響は少いと考えられる。すなわち、降伏点の95%の応力、および50℃の高温状態が長時間つづくことは一般の設計条件においては考え難く、降伏点の70%の応力の場合、24時間後のクリープ量は0.03%以内であり、且つ母材との差もみとめられない。このように樹脂のヤング係数が18100kg/cm2と鉄の約100分の1であるにもかかわらず、樹脂固定式継手のクリープ性能が優れている理由としては、カプラー内の狭い間隔に指摘が充填され、密閉状態となり、その結果三軸圧縮応力を受けるためと考えられる。エポキシ樹脂の作用効果が接着効果ではなく、充填効果にあることは、モルタル等の充填によっても同様な結果が得られることから確認されている。一方継手性能上からみると、トルク固定方式は鉄筋とカプラー・ナットに内部応力を存続させ、継手剛性を維持、確保する方式であるのに対し、樹脂固定方式は、継手部に内部応力は存在せず、充填された樹脂を介して、応力が均一に伝達されるため、より安定した継手性能を発揮できる工法と考えられる。 |
PDFファイル名 | 003-01-0069.pdf |