種別 | 論文 |
主題 | 縞鋼管にコンクリートを充填した合成鋼管の力学的特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐藤政勝(川崎製鉄構造技術研究所) |
連名者1 | 加藤親男(川崎製鉄エンジニアリング事業部) |
連名者2 | 三好弘高(川崎製鉄エンジニアリング事業部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 3 |
号 | |
先頭ページ | 293 |
末尾ページ | 296 |
年度 | 1981 |
要旨 | 1.緒言 鋼管にコンクリートを充填した外穀鋼管付コンクリート部材は、鋼管の靱性とコンクリートの剛性を巧みに利用することにより、鋼管の弱点である局部座屈とコンクリートの弱点である脆性破壊を防止する合理的な構造物である。鋼管の中空部にコンクリートを注入し、遠心力締め固めを行って製造する中空円環断面の鋼管コンクリート杭については、設計指針が作成され1)、建築基礎の分野で使用されている。合成鋼管の重要課題は、鋼管とコンクリートの付着抵抗を増大させ、両者の一体性を確保することにあるが、単にコンクリートに膨張材を混入しただけでは、その付着抵抗は鋼管表面の状態や施行条件に大きく左右されるので信頼性に乏い。その意味では上述の既製杭は一歩進んだ複合杭と言えるが、製造設備や輪送方法を考慮すると杭径・杭長が制限される。そこで著者らは、現場でコンクリートを打設しても鋼管表面の状態や施工条件にかかわりなく付着抵抗を増加させる方法として鋼管表面に突起を施した新形式の鋼管(以下、縞鋼管と記す)を開発した。すべり止めを目的とした従来の縞鋼板をスパイラル製造した縞鋼管の静的付着特性については文献2)に報告したが、さらに合成鋼管用として突起高3mmの縞鋼板を用いた縞鋼管を新規に開発した3)。ここでは、これら新・旧の両縞鋼管のコンクリートとの静的および疲労付着特性および両縞鋼管にコンクリートを全充填した合成鋼管の曲げ耐力と曲げ剛度などの複合杭としての力学的特性について報告する。 5.結言 新、旧縞および平鋼管のコンクリートとの付着試験およびこれらの鋼管をコンクリートで充填した複合杭の曲げ載荷実験によって以下の点が明らかになった。(1)縞鋼管のコンクリートとの一体性は、平鋼管に比べて非常に高く、σkが300Kgf/cm2のコンクリートを用いた場合、新、旧縞鋼管のτbmaxは49.4、55.6Kgf/cm2であって、それぞれ平鋼管のτbmax(3.8Kgf/cm2)の13.0および14.6倍である。(2)200万回の繰返し載荷に耐えうるτmaxは、新縞鋼管では、31Kgf/cm2また旧縞では36Kgf/cm2で非常に高い。また設計上の安全を考慮して、最高荷重時における相対滑り量を1.0mmに制限した場合でも、新縞、旧縞鋼管でそれぞれ21、31Kgf/cm2となり、異形鉄筋のコンクリートとの付着強度並の許容付着応力を採用できる。(3)新、旧縞鋼管を用いた複合杭の網管杭に対する曲げ耐力の比は、鋼管の許容引張応力度の段階では1.2倍であるが、その引張縁応力が降伏する頃から、曲げ耐力の比が除々に増加し、終局時では1.5倍となる。(4)縞鋼管を用いた複合杭の曲げ剛度は、平鋼管を用いたものより1割高く、鋼管坑の剛度の1.4倍である。 |
PDFファイル名 | 003-01-0074.pdf |