種別 | 論文 |
主題 | 高強度プレストレストコンクリート梁の終局耐力に関する実験研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 船越稔(広島大学) |
連名者1 | 岡本享久(広島大学) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 3 |
号 | |
先頭ページ | 365 |
末尾ページ | 368 |
年度 | 1981 |
要旨 | 1.緒言 本研究は圧縮強度が800kg/cm2〜1000kg/cm2程度の高強度コンクリートを使用したプレストレストコンクリート梁の終局耐力および破壊性状について実験を行ない検討を加えるもので、高強度プレストレストコンクリート部材のせん断力に対する設計方法に関連した資料を得ることを目的としている。近年、高性能減水剤を利用してコンクリートの水セメント比を著しく減ずることにより圧縮強度が1000kg/cm2に達するような高強度コンクリートを製造することが容易となり、新しい構造形式のコンクリート構造物に適用されつつある。一般に高強度コンクリートの特性として、コンクリートが高強度になってもヤング係数および引張強度の増加割合は低強度コンクリートの場合より幾分小さくなること、また圧縮下の応力・ひずみ曲線より最高応力が生ずる時のひずみが大きくなるが、その後の応力低下の度合が大きくなりかなりぜい性的な性質になることなどが知られ、構造物に適用された場合設計上せん断耐力および変形の評価について諸々の問題が指摘されている。昭和55年4月に「高強度コンクリート設計施工指針(案)」(土木学会)が出版され、圧縮強度800kg/cm2までのコンクリートを取り扱っているが、部材のせん断強度および変形性状に関する実験資料が不足しているように思われる。従って本実験では工形断面プレストレストコンクリート単純梁を使用して、コンクリートの強度、せん断スパンと有効高さの比、せん断補強率および導入プレストレスを変えて破壊試験を行ないこの種部材のせん断強さおよび破壊性状などに検討を加え、資料の充足を計るものである。 4.結び 高強度PC梁のせん断破壊特性を調べる目的で破壊試験を行ない結果に検討を加えた。本研究で得られた結果を要約すると次のとおりである。(1)コンクリートの強度に応じて導入プレストレスの値を変えた高強度PC梁の斜ひびわれ強さ、終局せん断強さはコンクリートの圧縮強度の増加に応じてほぼ直線的に増加し、プレストレスの影響が極めて著しい。(2)高強度PC梁の終局せん断強さはa/dが小なる範囲でコンクリート強度の影響を極めて受ける。(3)高強度PC梁の曲げ破壊性状は極めてぜい性的であり、補強してじん性を高めても破壊の前兆は予想し難く、設計において許容曲げ圧縮応力度の低減、破壊安全度の検討で安全係数の値を高く取るなどの配慮が必要である。(4)高強度PC梁のτuの上限値はa/dが小なる時幾分低減する必要があると思われる。 |
PDFファイル名 | 003-01-0092.pdf |