種別 論文
主題 せん断区間のはく離がRC部材の挙動に及ぼす影響について
副題
筆頭著者 関博(早稲田大学)
連名者1 伊東昇(早稲田大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 377
末尾ページ 380
年度 1981
要旨 1.まえがき
 鉄筋コンクリート部材に曲げひびわれが発生すると、ひびわれの幅によっては部材の耐久性を損うこととなる。これには、i)ひびわれ断面を貫通する鉄筋が担食や孔食を生じて断面積の減少をきたし、引張耐力が滅ずることによって部材としての曲げ耐力が低下すること、ii)ひびわれ断面の部分から偏食が鉄筋軸方向に沿って左右に進展し鉄筋とコンクリートの付着を破壊すること、iii)錆の膨張圧によってかぶりのコンクリートにリングテンションを発生させ、鉄筋軸に沿ったひびわれが生ずることによって引張剛性を低下させると共にさらに腐食を助長させてかぶりのコンクリートのはく離にまで至ること、などが含まれ、部材の安全性に影響を与えることもある。本文では、上述のi)〜iii)のうちでii)を検討の対象としている。部材表面で観察されるひびわれの幅は、鉄筋表面でのひびわれ幅と一致するものではない。後藤によるとひびわれ断面を中心として鉄筋とコンクリートにはく離が生じており1)、鉄筋の腐食によって付着破壊した長さはさらに拡大する2)3)。曲げひびわれの発生している既設部材でも同様の現象が生じているものと思われ、本報告では室内実験的にはく離を生じさせたはり供試体を製作して、はく離が部材の耐力や剛性(ないし変形)に与える影響を検討したものである。
6.結論
 鉄筋の腐食によるコンクリートとのはく離を想定して、せん断スパンにおける付着破壊がRC部材の挙動に及ぼす影響を検討した。本実験の範囲内で得られた結論を要約すると、以下の通りである。i)はく離が生じているときには、せん断スパンでのひびわれ本数が少なく斜めひびわれ発生の可能性も低くなる。はく離が40cmに達っするとこの傾向は顕著であり、せん断スパンのひびわれ幅が部材中の最大値を示す。ii)支点近傍ではく離が40cmのときには、引抜けに対する安全性は低下する。iii)40cm程度のはく離は、現行設計で配筋されたRC部材の耐力を低下させないが、変形は若干増加する。
PDFファイル名 003-01-0095.pdf


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