種別 | 論文 |
主題 | 円筒形容器(タンク・サイロ)の側壁下端連結法の改良 |
副題 | |
筆頭著者 | 福島啓一(飛島建設技術本部) |
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キーワード | |
巻 | 3 |
号 | |
先頭ページ | 409 |
末尾ページ | 412 |
年度 | 1981 |
要旨 | 1.はじめに 円筒形容器は力学的に見て、合理的な形状であり、施工もし易いことから、石油、水などの液体タンク、穀物、セメント、鉱石、石炭などの粉粒体のサイロ、原子炉の格納容器などに広く採用されている。円筒形容器に働く力は内容物(液体、粉粒体、気体)による内圧力が主なものであり、その他に排出時の摩擦による鉛直力、地震力、風力、温度応力、コンクリートの乾燥収縮による応力、ドームや屋根、機械装置からの力も考慮しなければならぬ。プレストレストコンクリート製とする時は、円周方向の緊張力による外圧力も考える。円筒形容器は底版、円筒形の側壁及び屋根よりなるが(屋根はないこともある)、底版と側壁の接手の構造により、力学的には4種に分けられる。即ち(a)固定式、(b)ヒンジ式、(c)滑動式、(d)その他である。荷重として、回転中心軸に対し対称に働く外圧力、内圧力などだけを考えればよい時は、(c)滑動式が、力学的には最も合理的であるが、地震力、風力などの偏荷重を考えるとこの構造は不完全である。(b)ヒンジ式は、理論上は水平力に十分耐えることが出来る訳であるが、水密性、気密性を十分満足し、施工もし易く、耐久性あり、力学的にも安全なヒンジ構造を得ることは仲々難しい。そのため、水タンクとしては相当利用されているが、重要なタンクには採用されていない。又78年宮城沖地震での破壊例もある。以上のことから、(a)固定式がすぐれている訳であるが、固定点(底版と側壁の連結部)に大きな曲げモーメントが働き、その補強のために大量の鉄筋やPC鋼材を配置したり、壁厚を増やしたりしなければならぬ欠点がある。そこで固定点の曲げモーメントを小さくし、しかも耐震性、水密性、気密性、施工性などがすぐれた構造形式を考案し(補助円筒式)比較設計を行って見た。 5.まとめ 以上の計算にもとづいて、所要材料を算出して見ると表−2の様になり、補助円筒式の有利さがはっきりすると思う。その他、数字に出ない要素として、壁厚変化がないので、応力集中などの問題が少い、型枠が組みやすい(特に壁厚変化部に応力集中を緩和するためハンチをつけると、型枠工事が複雑になる上に、コンクリート打設の分割回数も増えるが、新方式ではそれらが全くはぶかれる)たて方向の緊張力を一定に出来るので、途中高さでの緊張がいらない、たて方向に緊張力の異うPC鋼材を接続すると云う面倒な問題がない、工期が短くなるなどの多くの利点がある。比較のため、内水圧についてだけの計算を行ったが、PC緊張力、温度応力などに対しても有利であり、大型で高さの高いサイロ、タンク、原子炉の格納容器などに応用すれば非常に有利な構造形式と考えられる。 |
PDFファイル名 | 003-01-0103.pdf |