種別 | 論文 |
主題 | せん断力を受ける鉄筋コンクリート柱に対するX形配筋の有用性について |
副題 | |
筆頭著者 | 若林實(京都大学防災研究所) |
連名者1 | 南宏一(大阪工業大学) |
連名者2 | 久木幸雄(川崎製鉄) |
連名者3 | 宮内靖昌(大阪工業大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 3 |
号 | |
先頭ページ | 445 |
末尾ページ | 448 |
年度 | 1981 |
要旨 | 1.序 筆者らは、Paulayが提案した境界ばりの主筋を筋違状に斜めに配筋する方法1)(ここではX形配筋と称する)が鉄筋コンクリート造短柱のせん断破壊を防止するのに有効であることを明らかにし、前報で報告した2)。しかしながら、実際の構造設計では図1のように平行配筋とX形配筋が併用される場合が一般的であるので、平行配筋とX形配筋が併用されるRC柱のせん断抵抗性状について検討することが必要である。本論は、平行配筋とX形配筋の比率によって破壊モード、履歴特性およびせん断強度がどのような影響を受けるかを実験的に検討3)、4)し、X形配筋の有用性について述べるものである。 5.結語 主筋量および帯筋量はともに同一とし、全主筋量に対する斜め筋の比率のみを変化させて計画された実験より次のような知見を得た。(1)従来の平行配筋ではせん断破壊のモードを示す部材でもその主筋の一部を斜めに配筋することにより曲げ破壊モードに移行が可能である。(2)斜め筋量を多くするに従い、部材の履歴曲線をエネルギー散逸量および変形能力の大きい紡錘形に改善することが可能である。(3)X形配筋を用いることにより、通常の平行配筋におけるせん断抵抗機構に斜め筋による抵抗機構が付知され、かつそのせん断強度は拡張累加強度理論によって算定することができる。したがって、RC柱材において帯筋量を増加させることなく主筋の一部を斜めに配筋することにより、従来の平行配筋が保有するせん断強度および変形能力を増大させることが可能であり、せん断強度およびエネルギー散逸量の検討より全主筋量の約60%をX形配筋とすれば耐震的にすぐれた性能が得られることが指摘される。 |
PDFファイル名 | 003-01-0112.pdf |