種別 論文
主題 主筋を中央集中配筋したRC短柱のせん断破壊防止に関する実験的研究
副題
筆頭著者 山本泰稔(芝浦工業大学)
連名者1 横浜茂之(芝浦工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
3
先頭ページ 453
末尾ページ 456
年度 1981
要旨 1.まえがき
 前回報告の短柱のせん断破壊遅延に関する予備実験1)で、シアスパン比a/D=1.0、軸力σn≒FC/4の柱に主筋量Pt=0.61%を中央集中配筋すれば、慣用配筋法の短柱に比べて、i)曲げ破壊優先型の破壊モードとすることが容易である。ii)靱性が増し、部材角R≒1/50付近まで耐力低下が生じない、iii)主筋のかぶり厚さを増すことができるので、付着割裂や主筋座屈の可能性を最大限抑制できる、iv)主筋量を標準配筋柱の半分に減らしても曲げ耐力の減少は僅かである、ことなどを実験的に明らかにしてきた。そしてこれらの曲げ及びせん断強度を求めるためには、新らしい計算方法の導入が必要であることも指摘した。引き続きa/D=1.0の場合について実験を行ったが、ここではそのうち、せん断補強法をかえた中央集中配筋柱4体と、標準配筋柱1体との比較を行い、破壊性状の相違を検討する。その結果、主筋を柱の両端でクロスさせた中央集中配筋の実験体は、せん断ひびわれ発生を起さない完全な曲げ破壊優先型の破壊モードとなったこと、また、フープ及び溶接金網の横拘束効果によるコアコンクリートの強度上昇を考慮すれば、短柱の曲げ及びせん断終局強度の推定が可能となることを示したい。
7.結論
 中央集中配筋し、適度の角スパイラル筋と溶接金網による横補強によってコアコンクリートに拘束を与えてやれば、a/D=1.0の短柱を曲げ破壊優先型の靱性に優れた部材とすることが可能であることを示した。一般に主筋の配筋方法は、せん断ひびわれ発生荷重に影響を与えないものと考えられているが、X−2実験体はR=1/20に達してもせん断ひびわれを発生しなかったので、両端クロス配筋は将来有望な配筋方法の1つになるものと期待できる。今回の実験では横補強筋の配置方法を変えてもそれ程明確な差はあらわれず、角スパイラルを9φ−90@と粗に配筋したとき、せん断ひびわれの入り方が増加する程度であった。横補強筋の拘束効果がせん断耐力に及ぼす影響については現在研究中である。
PDFファイル名 003-01-0114.pdf


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