種別 | 論文 |
主題 | 無開口耐震壁の壁板にせん断初ひび割れが発生する時の層開変形角 |
副題 | |
筆頭著者 | 江崎文也(九州大学) |
連名者1 | 富井政英(九州大学) |
連名者2 | 瀬戸口幹光(九州大学) |
連名者3 | 松石泰浩(九州大学) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 3 |
号 | |
先頭ページ | 465 |
末尾ページ | 468 |
年度 | 1981 |
要旨 | 1.序 現在、耐震壁の断面設計は、(i)比較的頻度の多い中小地震に対しては、壁板にせん断ひび割れが生じないような弾性設計、(ii)頻度の少ない大地震に対しては、壁板にせん断ひび割れを認めるような塑性設計という2つの設計法により行なわれている。ゆえに、合理的な耐震壁の断面設計を行なうためには、各々の設計法の限界となる点の力学的特性を明らかにしておく必要がある。従来、弾性設計の限界として、壁板にせん断初ひび割れが発生する時の水平せん断力Qcrがとくに注目され、既往の実験結果によれば、かなりばらついてはいるが、ほぼQcr=0.1Fctl(Fc:コンクリート圧縮強度、t:壁厚、l:壁板周辺の柱中心間距離)、FCが大きくなると壁板の収縮応力の影響により、低い方に大きくばらつくことを富井・江崎によって明らかにしている1)しかし、最近の構造設計では、動的設計が取り入れられ、変形も重要な設計資料とみなされてきていること、Qcrのばらつきがかなり大きいという結果を考慮し、本論では、弾性設計の限界として変形に注日し、壁板にせん断初ひび割れが発生する時の層間せん断変形角Rs・cr(=δs・cr/h、δs・cr:壁板にせん断初ひび割れが発生する時のせん断変形による層高h間の相対水平変位、h:耐震壁の高さ(層高)で、上下はり中心間距離、ただし、図−1に示す試験体のhは図示による)を、既往の多くの実験結果から統計的に解析し、定量的にとらえることを試みたものである。これまで、Rs・crに関する研究はほとんどないが、既往の実験結果によれば、Rs・cr=0.2〜0.3×10−3rad.=平均0.25×10−3rad.であることが提唱されており2)、本論では、さらに多くの資料によって、信頼のある値を得ようとするものである。 5.結論 Rs・crに関し、既往の多くの無開口単独耐震壁の実験資料から確率的に解析し、コンクリート耐震壁0.22×10−3rad.モルタル耐震壁0.25×10−3rad.両者を合わせると0.23×10−3radがRs・crに関する確率密度の極大値を与えること、Rs・crとFc、Psとはほとんど関係がないことを明らかにした。 |
PDFファイル名 | 003-01-0117.pdf |