種別 論文
主題 蒸気養生によるコンクリート強度の早期判定
副題
筆頭著者 河野清(徳島大学工学部)
連名者1 水野裕之(徳島大学工学部)
連名者2 新舎博(五洋建設技術研究所)
連名者3 中木一文(五洋建設技術研究所中国支店)
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 9
末尾ページ 12
年度 1982
要旨 1.まえがき
 構造物に用いるコンクリートの設計基準強度、配合強度などは、一般に材令28日における圧縮強度を基準としているので、施工管理上の問題点として品質保証がコンクリートを打込んでから28日後になることがあげられる。土木学会コンクリート標準示方事188条の圧縮強度によるコンクリートの管理の条文に、コンクリートの管理は、一般の場合早期材令の圧縮強度で行うと規定されており、品質の判定は早ければ早いほど好都合である。材令7日の圧縮強度で管理し、JASS5その他の式で28日強度を推定する方法も実用されていたが、早期判定法としては、推定時期ができるだけ早いこと、推定精度のよいこと、装置および取扱いの簡単なこと、養生条件の変動の少ないこと、再現性のよいこと、供試体数の少なくてすむことなどを考えると、促進養生による方法がすぐれており、近年各国で研究され、実際の現場への適用が試みられている。1)〜5)米国では、すでに1974年、ASTMC−684に温水養生、煮沸水養生、自熱養生等による試験方法が規定されている。わが国では、1977年日本コンクリート工学協会にコンクリート品質の早期判定研究委員会が設置され、早期判定に関して調査、研究を進め、問題点の把握を行っており6)、1979年2月にはコンクリート品質の早期判定に関するシンポジウムが行われて多くの研究成果が発表されている。その後、規準化が日本コンクリート工学協会で進められ、急速硬化強度試験方法(案)、温水法(70℃)による促進強度試験方法(案)などが提案されており7)、これらの方法は取扱いが容易であり、一般の工事現場向きで、温度管理も簡単なので、今後各方面での積極的な利用が期待されている。一方、コンクリート製品工場では、早期強度発現のため蒸気養生を一般に使用している。供試体を成形後、適当な前養生期間をとったのち、蒸気養生室を用いて型枠のまま促進養生を行うことができるし、実際の製品に合わせた養生条件の採用も可能である。また、小型の蒸気養生装置があれば、一般の生コン工場での管理に使用することもできる。温水養生に関する研究結果が多いのに比べて、蒸気養生装置を用いた報告はきわめて少ないので、蒸気養生によるコンクリート強度の早期判定について検討を行ったものである。
4.まとめ
 蒸気養生による促進強度と標準養生7日あるいは28日強度との関係はコンクリートの種類によって多少相違するが、一次式で示すことができ、両者の関係式を用いて標準養生強度の早期判定が可能である。蒸気養生条件を厳密に管理して促進強度を求め、この値による28日標準強度の推定誤差は、標準養生7日からの推定誤差とほぼ同じである。蒸気養生装置を用いた早期判定法は、成形後早い時期に型枠のまま養生できる利点があり、また脱型時期の管理等にも使用できるので、製品工場において今後十分な活用を期待したい。
PDFファイル名 004-01-0003.pdf


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