種別 論文
主題 オートクレーブ養生した高強度コンクリートの耐凍結融解性
副題
筆頭著者 長滝重義(東京工業大学工学部)
連名者1 坂井悦郎(東京工業大学工学部)
連名者2 中村武夫(東京工業大学大学院)
連名者3 金生彬(東国大学校工科大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 45
末尾ページ 48
年度 1982
要旨 1.まえがき
 高性能減水剤を使用し、水セメント比を小さくして製造した高強度コンクリートは、その耐凍結融解性が通常の水セメント比のコンクリートに比較して異なった挙動を示すことが指摘されている。例えば、水セメント比35%以下の高強度コンクリートの凍結融解に対する抵抗性は、AE剤を用いなくとも極めて大きく、これは高強度コンクリートの組織が密実であるためとする報告1)、水セメント比35%以下では気泡間隔係数が800〜1000μmでも充分な耐久性を示すとする報告2)、また、厳しい条件下ではAE剤が必要であり、AE剤の選定には留意する必要があるとする報告3)、等がある。上述のごとく、高性能減水剤を用いて水セメント比を小さくした高強度コンクリートは、通常の水セメント比のコンクリートに比ベ一般的には耐凍結融解性にすぐれていると考えられるが、これらはいずれも水中養生を行なった高強度コンクリートについての結果であり、蒸気養生やオートクレーブ養生した高強度コンクリートに関しては全く検討が加えられていない。現在、オートクレーブ養生した高強度コンクリートはパイルなどとして実用されているが、地中にあるとの理由から耐凍結融解性はほとんど問題がないとされている。しかし、地表・海面付近や基礎杭のみならず構造物として利用する際には、これらに関して詳細な検討が望まれる。本研究では、特にオートクレーブ養生した高強度コンクリートの耐凍結融解性に関して、管供試体(遠心成形と振動締固めを含む)および角柱供試体を用い、供試体の寸法や成形法の影響およびコンクリートのモルタル部分の細孔構造や空気量および気泡間隔係数の効果について、さらにはオートクレーブ養生中にコンクリートが受ける熱履歴の影響について検討を加えた。
4.まとめ
 オートクレーブ養生した高強度コンクリートは、高強度であるにもかかわらず著しく耐凍結融解性が劣る。これは、細孔構造の影響ではなく、むしろオートクレーブ養生中にコンクリートに生ずる熱変形により微少き裂が生じたためと考えられる。この改善のためには空気を連行させる必要があり、その際の気泡間隔係数は水中養生した高強度コンクリートの際に必要な値と通常の水セメント比のコンクリートの際に要求される値の間にあり、400μm程度となった。
PDFファイル名 004-01-0012.pdf


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