種別 論文
主題 極低温の温度変化を受けるコンクリートの劣化に関する研究
副題
筆頭著者 三瀬尚(東北大学工学部)
連名者1 藤原正雄(東北大学大学院)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 57
末尾ページ 60
年度 1982
要旨 1.まえがき
 近年、液化天然ガス(LNG)関連の構造物をコンクリートで作ることが多くなってきているが、LNGは、沸点が−162℃と極めて低温であるため、それらの構造部材は大きな温度変化およびその繰返しを受けることが考えられる。従来の研究で、コンクリートは、低温にさらされると、遊離水の凍結膨張等により内部組織が破壊され、劣化することがわかっているが、まだその劣化機構は十分解明されていない。そこで、本研究では、コンクリートが極低温の温度変化を受ける際の劣化の機構をコンクリートの歪と閑連させて解明することを試みコンクリートの配合、含水量、冷却速度の違いが、コンクリートの歪変化におよぼす影響を求め、さらに、歪と劣化との関係について調べた。また、コンクリートが極低温の温度変化を繰返し受ける際、その温度範囲、繰返し回数、配合、含水量等が劣化に及ぼす影響をも調べ、あわせて考察した。
5.まとめ
 極低温の温度変化を受けるコンクリートの劣化は、主に−30℃付近で見られる水の凍結膨張量によって決まり、実際に劣化に対して大きな影響を持つ温度範囲は、約−40〜0℃の間であると考えられる。したがって、これ以外の範囲、つまり、0℃以上の温度範囲はもちろん−40℃以下の間で温度変化を受けても劣化はほとんど起こらないと考えられる。また、この範囲を含む温度変化を受ける場合であっても、w/cを小さくしたり、含水量を小さくしたり、あるいは冷却速度を小さくすることによっても、極低温の繰返し温度変化に対して、十分な耐久性を持たせることができると思われる。また、実際に繰返し温度変化を受けている間においては外部からの水分の供給によってコンクリートの含水量が大きくならないように注意を払うことが、劣化の進行を防ぐために重要であると考えられる。さらに、劣化の程度は、動弾性係数の減少を測定するだけでなく、歪変化を測定することによっても知ることができる。特に、温度回復後の残留歪値を測定することは、コンクリートの劣化の程度を調べる一つの方法として、実際に用いることも可能ではないかと考えられる。
PDFファイル名 004-01-0015.pdf


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