種別 論文
主題 コンクリート中の鉄筋の腐食機構に関する基礎的研究
副題
筆頭著者 片脇清士(建設省土木研究所)
連名者1 蒔田実(建設省土木研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 61
末尾ページ 64
年度 1982
要旨 1.まえがき
 海洋環境のなかでも飛沫帯部のようにとりわけて腐食性の厳しい場所でのコンクリート構造物の劣化が最近注目されている。この種の劣化の特徴は当初コンクリートにはひびわれが見当たらなかったにもかかわらず、を経てはじめてひびわれが観察され、コンクリート内部の鉄筋が著しく腐食している点にある。このひびわれは鉄筋の腐食によって生じたと想像されるが、中性化調査結果ではひびわれ面は中性化しているがその他の部分は高アルカリ性を保持したままであることが確かめられており、このような条件でなぜ鉄筋が腐食するのかとの疑問が生じた。実際に海岸に構築されたコンクリート構造物中の塩分が高濃度であるとの調査結果(含有塩分量10〜30kg/m3の場合もある)も報告されている。そこで鉄筋コンクリートを溶液モデルに置き換えこれらの条件を再現して腐食機構を明きらかにするための実験を行った。
5.まとめ
 飛沫帯での鉄筋コンクリートをモデル化した溶液実験によって次の点が明きらかとなった。(1)高アルカリ性でしかも低酸素濃度条件(コンクリート内部はこのように考えられている)下でも含有塩分量が多い場合には鉄筋は腐食する。これは鉄筋保護作用を有する不動態皮膜が消滅するためである。(2)上記条件下での鉄筋の腐食速度は含有塩分が増大するとともに増大する。(3)ひびわれを生じたコンクリート中の鉄筋腐食が加速される原因として、通気量の変化や中性化を含めて実験的に検討した。(4)通気を遮断するのは鉄筋の腐食速度抑制に効果があるが、既にひびわれたコンクリートの場合には抑制効果は小さい。
PDFファイル名 004-01-0016.pdf


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