種別 | 論文 |
主題 | ポルトランドセメントレス転炉・高炉スラグ系セメントモルタルの実用化に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 出光隆(九州工業大学工学部) |
連名者1 | 高山俊一(九州工業大学工学部) |
連名者2 | 岡智善(島根県庁土木部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 4 |
号 | |
先頭ページ | 89 |
末尾ページ | 92 |
年度 | 1982 |
要旨 | 1 緒言 我国では年間約1000万tの転炉スラグが排出されているが、製鉄所において磁力選鉱の工程を経た転炉スラグは、3mm以下の粉末となっており、これを水砕微粉末、石膏および塩化カルシウムと適当な配合比で混合すれば、水和反応を起こし、凝結・硬化してポルトランドセメントレスのモルタルとなる。筆者らのこれまでの研究成果では、このモルタル(以後、転炉スラグモルタルと略称する)は以下の性質を有することが分っている1)。(1)材令4週でC種フライアッシュセメントと同程度の強度を有する。(2)強度増加には転炉スラグも寄与している。すなわち、転炉スラグ自身も水和反応を起している。(3)反応生成物は膨張性を有するが、モルタルの最終膨張ひずみは1500〜2000×10-6であり、それによる強度低下、ひびわれ発生などの現象は見られない。この種の結合材の実用化を図る際、常に問題となるのは、原材料の品質のばらつきである。そこで、製鉄所内で排出されたばかりの転炉スラグから資料を採取し、品質のばらつきを調べ、それがモルタルおよびコンクリートに与える影響について検討した。 6 結言 以上の結果から、転炉スラグを用いたモルタル、コンクリートに関して明らかになった事項を以下にまとめて示す。(1)転炉スラグの品質は季節的変動に比べて日変化が大きく、それがモルタルの強度・コンシステンシーに影響を与える。しかしながら、0.15mmフルイ通過量をセメント分と考えて、従来のモルタル・コンクリートと同様こ配合設計を行なえば、実用上、差し支えない程度にまで品質のばらつきの影響をなくすことができる。(2)転炉スラグを結合材として用いることによって、スランプ5〜20cm、4週強度200〜400Kg/cm2のコンクリートを得ることができた。また、膨張性を有するがその量は大きいものでも800×10−6程度であった。(3)結合材に塩化カルシウムが多く含まれるため、鉄筋の発錆は著しい。しかしながら、比重が2.55〜2.60と大きいことから、消波ブロック等の重量無筋コンクリート用には適していると考えられる。 |
PDFファイル名 | 004-01-0023.pdf |