種別 論文
主題 造殻混練工法による貧配合コンクリートの特性に関する研究
副題
筆頭著者 黒羽健嗣(大成建設技術研究所)
連名者1 山本康弘(大成建設技術研究所)
連名者2 丸嶋紀夫(大成建設技術研究所)
連名者3 伊東靖郎(リプコンエンジニアリング)
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 129
末尾ページ 132
年度 1982
要旨 1.まえがき
 巨大なコンクリート構造物の工事(原子炉工事、ダム工事、護岸工事)に用いるマスコンクリートは、セメントの水和反応による発熱ひび割れを制御するため、粗骨材の最大径を大きくすることにより単位セメント量を小さくしたり、フライアッシュ等の混和材を使用した貧配合コンクリートが用いられている。しかし、これらのコンクリートは、水の分離によるブリージンクの発生、砂や粗骨材の分離による施工性の不良と強度低下、および耐久性の低下など、未解決の問題が多い。我々は、これらの貧配合コンクリートにおける諸問題を解決するものとして造穀混練方式(以下S.E..C.工法と称す)をとりあげ、その特性について検討した。S.E..C.工法とは、あらかじめ表面水量を一定に処理した細骨材と粗骨材に適当量の1次水を加えセメントと1次混錬した後、残りの水を加えて混練し、モルタルあるいは、コンクリートとするものである。これによると、モルタルあるいは、コンクリートのブリージンク、骨材分離、品質変動巾の減少等、種々の性能の向上が期待出来る。本研究においては、最大寸法150m程度の粗骨材を使用し、C種フライアッシュセメントによる単位セメント量を120〜220kg/m3とした貧配合コンクリートに本工法を適用した場合の各種特性を従来工法によるものと比較検討した。
6.結論
 本研究においては、S.E.C.工法による粗骨材最大寸法150mmの貧配合コンクリートの特性を従来工法によるものと比較の上で明らかにするため、2m3練り大型ミキサーを使用し、材料条件・試験条件等を一定とし、実験を行った。この結果、明らかとなったS.E..C.コンクリートの特性は、以下の通りである。・練り上りコンクリートのブリージング量は、小となる。・圧縮強度は、やや大となる。・引張強度、静弾性係数は、従来工法によるものと同程度以上である。・耐凍結融解性能は、優れている。以上であるが、S.E..C工法による場合、前記のような混練方式をとるため、ミキサーの性能がコンクリートの物性に大きな影響を及ぼすと考えられるため、今後、この点を検討する必要がある。本研究は、東京大学工学部樋口芳郎教授、岸谷孝一教授および法政大学工学部小林正几教授の御指導をいただいた。特に凍結融解試験は、小林研究室において実施していただいた。ここに深く謝意を表します。
PDFファイル名 004-01-0033.pdf


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