種別 論文
主題 コンクリートの疲労性状に関する基礎研究
副題
筆頭著者 小玉克巳(武蔵工業大学工学部)
連名者1 石川善信(武蔵工業大学大学院)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 193
末尾ページ 196
年度 1982
要旨 1.序論
 繰返し応力を受ける鉄筋コンクリート及びプレストレストコンクリート等の構造部材が劣化する過程は、殆んどの場合劣化の発端はコンクリートにおける引張ひびわれの発生である。ひびわれが進行し厳しい環境条件下では、時間の経過と共に部材の劣化延いては構造物の耐久性が損なわれる場合が少なくない。従って、コンクリートの疲労強度及び疲労ひびわれを検討する事は、極めて重要となるのである。本研究では、前記の問題点を解明するための必要な基礎資料を得るため、若干のプレストレストを導入したコンクリート梁の疲労試験を行ったのであるが、ほぼ一定の上限荷重載荷時におけるコンクリートの最大曲げ引張応力度が30〜90kg/cm2に達する様な梁について、コンクリートにひびわれが発生するまで載荷を繰返し、コンクリートの曲げ引張疲労強度について検討した。次いで円柱形供試体についてコンクリートの引張疲労試験を行い、ひびわれの進行状況を確認すると共に、その引張疲労強度を求め、曲げ引張疲労強度との関連性について検討し、それぞれの場合における疲労強度を試験した結果に基づき、コンクリートの疲労性状を論じたものである。
4.結び
 若干のプレストレスを導入したコンクリートの梁供試体についての曲げ引張疲労試験ならびに円柱供試体で行ったコンクリートの引張疲労試験等の実験結果より次の事が言える、(i)対数目盛で示した載荷回数とコンクリートの曲げ引張応力比との関係は直線的となり、その関係はコンクリートの引張の場合の関係と概ね一致する事、(ii)200万回の曲げ引張または引張の繰返し載荷にも耐え得る上限応力比はそれぞれ59%、62%である事、(iii)引張疲労試験における劣化過程を推定する手法としてAE法は、コンクリート内部のマイクロクラックの発生を感知できるので有効である事、(iv)高サイクル疲労試験の場合、ある程度ひびわれが進展しても、粗骨材粒とモルタルの付着ならびに粗骨材粒のかみ合せの影響によりある程度疲労強度が大きくなる事、等コンクリートの疲労性状に関する事項を明らかにする事ができた。本研究において、國分正胤先生より終始御懇篤なる御指導を賜わった。ここに謹しんで厚く御礼申し上げる次第です。
PDFファイル名 004-01-0049.pdf


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