種別 論文
主題 コンクリートスラブの養生条件が圧縮強度、静ヤング係数に及ぼす影響
副題
筆頭著者 長谷川寿夫(北海道大学工学部)
連名者1 杉山雅(藤沢薬品工業特薬研究所)
連名者2 洪悦郎(北海道大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 201
末尾ページ 204
年度 1982
要旨 1.はじめに
 構造体におけるコンクリートの圧縮強度、静ヤング係数は、柱、梁、壁、スラブ等の各部材や部位によって異なつていることが、既に明らかになつている。1)2)これらの部材のなかで、スラブは、薄い平版状の部材のため打込み後乾燥が早く、強度等の低下が大きい。コンクリートが乾換による有害な影響を受けないように、散水またはその他の方法で、打込み後の初期の湿潤状態を保つようにしなければならないが、最近では、工期が短かい等の理由から、十分な初期養生を行なつていないという実情もある。一方、コンクリート構造物の解体時等に行なつた各部の性状試験の結果では、スラブのコンクリートの強度は、設計基準強度を下回つているような低強度の場合もあり、また、非常に大きい強度が出ている場合もあり、バラツキが大きいことが報告されている。この原因の1つには、打込み後積極的な養生を行なわない場合でも、降雨や上階の打込み時の漏水などにより、コンクリート面が濡れることもあり、また、表面仕上げ等による保水.保湿効果も考えられる、本報は、これらの状況を考慮して、打込み後のスラブの乾湿養生条件を変えて、圧縮強度、静ヤング係数に及ぼす影響を、実験的に検討したものである。
4.結論
 コンクリート打込み後乾燥が早いスラブに、各種の保水・保湿養生、あるいは水分供給養生を行ない、圧縮強度および静ヤング係数に及ぼす効果を検討した結果は、次のようにまとめることができる。(1)保水・保湿養生を行なう場合には、打込み直後から材令1日位のうちに開始して数日間の養生を行なえば強度増大の効果が認められる。被膜剤を塗布する養生でも、ブリージング水が無くなつた直後に行なうことが重要であることを再確認した。(2)水分供給養生は、1日間以上十分に行なえば、一般には保水・保湿養生よりも、強度増大の効果が大きい。養生を開始する材令は、乾燥が少し進んだ1週〜2週程度であれば効果が大きいが、さらに乾燥が進んだ3週以降からの養生による効果は、そう大きくはない。(3)材令1か月以降において封、封緘状態、またはモルタル仕上げのみを行なつても効果はほとんどない。しかし、これらの前に、水分供給養生があれば、モルタル仕上げ等による保水効果があり、強度とヤング係数は大きな値を示す。(4)静ヤング係数は、コンクリートの乾燥程度とも関連があり、湿潤状態のものほど大さな値を示す傾向があるため、いずれの養生方法においても、養生なしのものに比べて大きな値を示している。
PDFファイル名 004-01-0051.pdf


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