種別 | 論文 |
主題 | 折曲げ鉄筋の疲労特性 |
副題 | |
筆頭著者 | 石川雄一(東京大学工学部) |
連名者1 | 上田多門(東京大学工学部) |
連名者2 | 岡村甫(東京大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 4 |
号 | |
先頭ページ | 257 |
末尾ページ | 260 |
年度 | 1982 |
要旨 | 1.はじめに 従来、鉄筋コンクリート部材のせん断疲労が現実の問題となることはなかったが、近年、せん断に対する設計法が進歩し、せん断補強鉄筋の量が減少していく傾向がある。このような状況下では、設計の際、せん断補強鉄筋の疲労強度で、補強量やその配置が決まる場合が増加していくものと予想され、せん断補強鉄筋の疲労特性を知ることの意義は大きいと思われる。鉄筋コンクリートばりのせん断補強鉄筋は、一般的には、スターラップと折曲げ鉄筋であるが、前者については、疲労特性がすでに解明されており(1)、次の3点にまとめられる。(i)一定振幅の繰返し荷重下の最大荷重作用時のひずみは、繰返しとともに増加し、次式で算定される。 εmax=βx(Vmax−Vco・10-0.036(1−r2)logN)/(AwEsZ/S) (1) (ii)応力振幅は、「作用せん断力とスターラップのひずみとの関係を示した図(V−ε図)で、除荷時には、常に定点(−Vco、0)を直線的に目指し、再載荷時には、式(1)で求まる点を直線的に目指す。」という仮定から、次式により求められる。 σ=Vmax−Vmin/Vmax+Vco・σmax(2) (iii)いかなる荷重履歴も、それと等価を一定振幅の繰返し荷重に置き換え得る。折曲げ鉄筋については、折曲げ部において、耐疲労特性が劣ることなどが、実験により指摘されているが(2)、折曲げ部周辺の応力状態や、せん断補強鉄筋としての疲労特性などを論じた論文は見あたらなかった。そこで、析曲げ鉄筋を有するはりの疲労試験を行ない、スターラップの疲労特性をもとに、折曲げ鉄筋の疲労特性の検討を試みたのである。 4.結論 (1)せん断補強鉄筋として、折曲げ鉄筋のみを有する場合は、せん断力が卓越する範囲では、最大荷重作用時のひずみは式(3)で算出され、応力振幅は式(2)で求まると考えられる。(2)せん断補強鉄筋として、折曲げ鉄筋とスターラップを併用する場合は、最大荷重作用時の各々のひずみは式(4)〜(7)から算出され、応力振幅は式(2)で求まると考えられる。(3)折曲げ鉄筋の曲げ上げ直後の断面平均応力は、式(3)で算出される応力、主鉄筋の定着応力、曲げ応力(Vが大きい時は問題にならない)の3つの応力のうちの最大直で、曲げ上げ直前の断面平均応力は、曲げ理論で算出される応力とせん断補強鉄筋の定着応力の大きい方で決まると考えられる。折曲げ部付近には、曲げ加工の影響で、最大の断面平均応力よりも大きな応力の働く点がある。 |
PDFファイル名 | 004-01-0065.pdf |