種別 論文
主題 重ね継手の集中度がRC梁の疲労強度に及ぼす影響
副題
筆頭著者 榎本松司(東京大学工学部)
連名者1 二羽淳一郎(東京大学大学院)
連名者2 岡村甫(東京大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 289
末尾ページ 292
年度 1982
要旨 1.はじめに
 複数の重ね継手を有するRC梁が、高サイクル繰返し荷重を受ける場合に、継手を同一断面に集中させると、継手と連続鉄筋が混在していて、継手部分に応力が集中する場合よりも、かえって継手部分のコンクリートが割裂しやすく、疲労強度が低くなる傾向のあることが認められた1)。これは、主筋を4本有するRC梁において、4本とも重ね継手とした4/4継手と、2本を重ね継手とした2/4継手についての実験より得られたものである。しかし、4/4継手と2/4継手では、割裂時の破壊断面が異なり、静的強度自体が異なることが、その主要な理由とも考えられる。さらに、この実験では作用する最小と最大の応力の比rは、0.2程度までであり、rの大きい領域については行をわれていない。そこで、継手の集中度とrを変化させた実験を追加し、前回の実験結果を含めて、重ね継手の集中度がRC梁の疲労特性に及ぼす影響について詳細な検討を行なったのである。
5.むすび
 今回行った疲労試験結果より以下のことが推定された。1)重ね継手を同一断面に集中させると、継手端部の最大ひびわれ幅が大きく増加していく。しかし、継手と連続鉄筋が混在し、同一断面での継手の集中度が小さくなると、その傾向は減少する。2)重ね継手と連続鉄筋が混在する場合、継手部分には明らかに応力が集中する。その集中度は、繰返し載荷に伴って減少していくものの、その減少率は小さく、継手部が割裂破壊する場合には、破壊の直前まで保持されていると思われる。しかし、連続鉄筋の割合が多い場合には、継手部分が局部的に破壊しても、継手部分から連続鉄筋への応力の再分配が起こり、梁全体としての破壊には至らない。継手の集中度的に言えば、本実験から推定する限り2/6継手、つまり、継手を断面内で1/3程度以下にしておけば、継手の割裂による疲労破壊は防止できるものと思われる。3)継手が割裂により破壊する場合、継手の静的強度を定量的に評価できれば、その疲労強度は、(1)式によって比較的正確に推定できる。
PDFファイル名 004-01-0073.pdf


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