種別 論文
主題 負の曲げを受けるプレキャスト合成床版の継手に関する研究
副題
筆頭著者 太田俊昭(九州大学工学部)
連名者1 日野伸一(九州大学工学部)
連名者2 山本豊(石川島建材工業開発企画室)
連名者3 富沢三郎(石川島建材工業開発企画室)
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 425
末尾ページ 428
年度 1982
要旨 1.まえがき
 昨今、橋梁におけるRC床版の損傷は著しく1)、種々の補修、補強工事では事足らず、全面打替えを必要とするケースも少なくない。全面打替えを行う場合、薄鋼板とコンクリートを合成したプレキャスト合成床版は、現場工期の大幅短縮や死荷重の軽減が可能であり、直接的、間接的な経済効果に富んだ有力な床版構造となりうる。しかしながら現在行われている床版相互の連結は、図−1に示すように主桁上で目地部の鉄筋をラップさせた後に目地コンクリートを打設して一体化するため、相当の目地幅を必要とし、現場でのコンクリートの打設量がかなり多いことや、継手部における連続性の確保が問題とされている。そこで筆者らは、十分な強度および連続性の確保が可能で、かつ、現場での連結作業の簡略化、目地幅の縮少化、継手部における誤差の吸収等の条件を満足しうるプレキャスト合成床版の継手として、鋼継手構造の開発を試みている。本研究は、その第一段階として、主桁上での床版相互の連結を想定し、鋼継手を有する数タイプの連結床版の負の曲げに対する静的力学特性に関して、在来の鉄筋ラップ方式及び継手のない単体床版との比較を交えて実験的に検討をしたものである。
4.まとめ
 鋼継手構造を用いた合成床版に関する静的曲げ試験の結果をまとめると、次のとおりである。(1)連結床版のひびわれ発生荷重の低下は否めないが、その終局耐力については、設計曲げモーメントに対してはとんど3倍以上の安全率を得られることが確認出来た。(2)高力ボルト摩擦接合を用いた継手構造は、当然のことながらHT1のように引張力を集中させることはなるべくさけるべきであり、CTのように均等に分散させることが必要である。またCTの場合には、単体床版のNJとほとんど遜色のない力学性状が得られた。(3)CT方式は、目地幅をせまくすることが可能となったが、今後の課題としてコスト面の検討もさることながら、フラジ部分の切欠き形状についての疲労をふまえた検討が必要であろう。(4)FB方式については、FB2の構造にすることにより、引張力の偏心もなく、NJと比べても遜色のない耐力および変形性状を有している。さらに目地幅も従来のLP方式の60cmに対して、22cmと約1/3に縮少されることを考慮すれは相当に評価しうる継手構造と思われる。(5)ラップ方式のLPに関しては、現在実用にも供されているとおり、耐力および変形性状ともに当然の結果が得られた。(6)今回の実験では、新旧コンクリートおよび鋼−コンクリートの打継部における、ひびわれ特性に関する検討が不十分であり、繰返し荷重に対する継手部の検討と共に今後の研究課題としたい。
PDFファイル名 004-01-0107.pdf


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