種別 論文
主題 鉄筋コンクリート長柱の設計法に関する一研究
副題
筆頭著者 堺孝司(北海道大学工学部)
連名者1 角田与史雄(北海道大学工学部)
連名者2 能町純雄(北海道大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
4
先頭ページ 449
末尾ページ 452
年度 1982
要旨 1.まえがき
 種々の基準における鉄筋コンクリート(RC)長柱の設計方法は、その多くが合理的な構造解析によることを原則としている。しかし、同時に、近似的な設計法をも認めている。RC長柱の近似設計法に対する現存の各基準における基本的な考え方は、大凡、三つに分類することができよう。一つは、RC長柱忙対する最初の設計概念である低減係数法(Reductiom Factor Method)である。この方法は、長柱の断面強度が細長の影響によって見かけ上低下するとして設計する方法であり、低減係数に関する式を細長比の関数として与えるのが一般的である。日本土木学会のコンクリート標準示方書1)やACI Building Code2)の解説に述べられている修正R法がこれに相当する。他の一つは、現在、ACI Building Codeに採用されているMoment Magnification Methodと呼ばれる方法である。この方法は、一定剛性を有する部材の弾性たわみから導びかれた係数を、慣用フレーム解析によって得られた最大端モーメントに乗じて、この増幅されたモーメントを設計モーメントとして用いようとするものである。残りの一つは、付加的に発生するであろう偏心量そのものを直接与える方法である。この方法は、長柱の実際の挙動を設計に反映させるという意味において最も理解し易い方法であると言えよう。これに相当する方法を採用している基準として、BSIのCP1103)、CEB−FIP.ModelCode4)、DIN10456)を挙げることができる。ところが、これらの基準式で採用されている二次偏心量に対する影響因子は極めて少なく、CPllOでは細長比のみ、CEB−FIP MoelCdeでは細長比と有効高さ、そしてDIN1045では細長比と初期偏心量といった具合である。このようなことから、本研究では、RC長柱の耐荷挙動に影響すると思われる六つの変数を考慮し、それらが二次偏心量に対してどのように影響するかを調べ、その特性を考慮した設計用二次偏心量の形式化を試みる。
5.結論
 以上、RC長柱を設計する場合の二次モーメントを評価するために、二次偏心量に関する形式化を行なった。その結果、特性に応じてCASE A、CASE B、およびCASE B2の三つの場合に分けることによって、かなり適合度の良い式を得ることができた。影響因子を大胆に無視し、その適合度を下げるつもりであれば、一つの式にすることも可能であろうが、現時点ではこのままにしておく。これらの式を設計用の式とするには、例えばβ1の値を単純増加させたり、あるいはある信頼度を有する式を求めればよい。何れにしても、クリープなどの影響に対する問題も残されているので、最終的な設計式の提案は機会を新めて行ないたい。仮に、三つの式を設計式として導入した場合の設計手順について簡単に述べておく。先ず断面を仮定し、その断面のつり合い軸力Nbを算定する。次にNbと所与軸力Nとの比較を行ない、N>Nbの場合はCASE Aの式を、N<Nbの場合はCASE B1およびCASE B2の式を用いて二次偏心量を算定する。ただし、後者の場合は、CASE B1とCASE B2によるもののうち小さい方を採る。その結果、仮定した断面の耐力がNと所与モーメントプラス二次モーメントより大きければ良い訳である。耐力に余力のある場合には、断面を仮定し直す。このような手順を繰り返すことによって合理的な断面設計を行なうことができる。
PDFファイル名 004-01-0113.pdf


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