種別 論文
主題 造殻混練(Sand Enveloped with Cement)方式による鋼繊維補強コンクリートの性状
副題
筆頭著者 辻正哲(東京理科大学理工学部)
連名者1 山本康弘(大成建設技術研究所)
連名者2 早川光敬(大成建設技術研究所)
連名者3 湯田坂益利(大成建設土木部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
5
先頭ページ 13
末尾ページ 16
年度 1983
要旨 まえがき
本報告はモルタルと鋼繊維の付着特性、及び鋼繊維補強コンクリートの曲げ荷重−変形特性等の性状に、造穀混練(以下SECと称す)方式の練り混ぜが与える影響を調べたものである。ここでいうSEC方式とは表面水を調整した骨材を用い、キャピラリー状態のセメントペーストと練り混ぜる過程を有する練り混ぜ方法である。
鋼繊維補強コンクリートの曲げ荷重−変形性状は、鋼繊維とコンクリートの付着性状と密接な関係がある。鋼繊維が異型加工等でその付着性状が改善され、モルタルとの付着試験による引張荷重−すべり曲線の仕事量が大きくなると、その鋼繊維を用いたコンクリートの靭性が向上することがわかっている。
一方、SECコンクリートを用いた構造体では.その補強筋との付着性状が、同じ調合の従来コンクリートを用いた場合と比較して優れているという結果が得られている。2)これはSEC方式で練り混ぜることにより、コンクリートの分離、特にブリージングが減少し、補強筋周辺に弱点が生じにくいためと考えられている。同じことが鋼繊維の周辺で生じているとすれば、SECコンクリートを用いることは鋼繊維とモルタルの付着性状、ひいては鋼繊維コンクリートの靭性向上に有利になるはずである。また鋼繊維の表面を洗浄処理、発錆させたもの、またはゴムラテックスを付着させる等の処理をした場合、鋼繊維補強モルタルの曲げ強度に、それぞれ相応の影響を与えるという報告もある。鋼繊維コンクリートをSEC方式で練り混ぜる場合、骨材と同様に、鋼繊維を水セメント比の低い段階から投入してやることにより、水セメント比の小さいセメントペーストが鋼繊維表面に付着し、表面処理として付着性状の改善の効果をもたらすことも考えられる。
ここではモルタルを用いて鋼繊維の付着試験を行い、SEC方式の練り混ぜが付着性状に有利であることを確かめ、さらに鋼繊維コンクリートの実験により、これが靭性の向上に寄与していることを明らかにした。
まとめ
鋼繊維とモルタルの付着試験により、SECモルタルを用いる方が従来法のものより高い値を示すことがわかった。また鋼繊維を水セメント比24%のペーストに接触させる処理を行うと高い付着強度を示すことがあきらかになった。この場合、付着性状の改善効果は後者のペーストによる表面処理の方が大であった。鋼繊維コンクリートにSEC錬り混ぜを適用する際、前者の効果のみをねらったSECコンクリートに鋼繊維を投入するSEC法Iと、後者の効果をもねらう空練り段階から鋼繊維を投入するSECII法について試験を行ったところ、圧縮強度、曲げ強度、曲げタフネスとも、従来法、SEC法I、SEC法IIの順に値が高くなり、付着試験の結果とよく一致することがわかった。
PDFファイル名 005-01-0004.pdf


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