種別 論文
主題 超速硬セメントを用いた鋼繊維補強コンクリートの力学的特性について
副題
筆頭著者 峰松敏和(住友セメント中央研究所)
連名者1 銀山功(住友セメント中央研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
5
先頭ページ 17
末尾ページ 20
年度 1983
要旨 まえがき
超速硬セメントは、極く早期に強度を発現し、長期まで安定して強度が増大するため、緊急工事、寒中工事および吹付け工事等にしばしば利用されている。また、鋼繊維補強コンクリートは、鋼繊維によって、その諸特性が大きく改善されることから、現在、NATMM工法によるトンネル工事を中心として各方面に適用されている。
一方、これらを同時に用いたコンクリート、すなわち、超速硬セメントを硬化体とした鋼繊維補強コンクリート(以下JSFRCと呼ぶ)は、両者の特性を兼ねそなえており、橋梁ジョイント部の補修工事や高架橋の吹付けにエる補修工事等への利用実績もある。しかしながら、このJSFRCの有する特性を系統的に検討した報文は非常に少なく、明らかにしなければならない問題点が多数ある。筆者らは、その手始めとして配合設計方法についてはすでに明らかにしたが、本報告では、圧縮強度、曲げ強度および曲げ変形特性を取り上げ、普通ポルトランドセメントを用いた鋼繊維補強コンクリート(以下SFRCと呼ぶ)と比較検討し、さらに、繊維とマトリックスとの付着性状とこれらの関係について検討を加えたので、ここに報告する。
まとめ
(1)JSFRCは、セメントの早期強度発現性とSFRCの力学的特性をかねそなえた材料である。
(2)JSFRCの圧縮強度特性は、超速硬セメントによる早期強度発現性および材令の長期化に伴なう強度の増大は認められるが、繊維による補強効果は、SFRCの場合と同様ほとんど認められない。
(3)JSFRCの曲げ強度特性は、早期強度発現性および繊維による補強効果が明確で、さらに、同一水セメント比ではSFRCより非常にすぐれている。また、圧縮強度と曲げ強度との関係は、SBFRCよりJSFRCの方が圧縮強度に対する曲げ強度の割合が大きく、曲げ部材としてより効果的な材料である。
(4)繊維の強さの違いによる影響は、強度性状におよぼす影響は小さく、タフネス(換算曲げ強度)において非常に大きい。これは繊維とマトリックスとの付着性状に起因している。
(5)超速硬セメントと繊維との付着強度は非常に大きく、引張強度の小さい繊維は繊維が破断する場合があるため、JSFRCにおいては、引張強度の大きい繊維を用いる方がより効果的である。
(6)繊維の付着特性とJSFRCおよびSFRCの曲げ特性との間には、密接な関係があると考えられるが、本実験の範囲においては明確な関連性を把握することはできない。
PDFファイル名 005-01-0005.pdf


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