種別 | 論文 |
主題 | ポゾランによるアルカリ・シリカ反応の抑制機構 |
副題 | |
筆頭著者 | 川村満紀(金沢大学複合材料応用研究センター) |
連名者1 | 竹本邦夫(金沢大学複合材料応用研究センター) |
連名者2 | 枷場重正(金沢大学工学部土木工学科) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 5 |
号 | |
先頭ページ | 37 |
末尾ページ | 40 |
年度 | 1983 |
要旨 | まえがき アルカリ・シリカ反応を起こすような骨材は極めて少ないとされてきた我国においても、最近実際のコンクリート構造物においてみられるアルカリ・シリカ反応に起因すると思われるひびわれ発生は極めてまれな現象とはいえなくなりつつある。アルカリ・シリカ反応によって被害を受けたコンクリート構造物の補修は非情に困難であり、さらに一旦被害を受けたコンクリート構造物においては、反応を停止させることによって将来故事が拡大しないことを保証でさるような対策はないというのが現状である。したがって、コンクリートの製造時において有害なアルカリ・シリカ反応の発生を防止でさるような材料の配合及び選択が重要である。そのような方策の1つとして、コンクリートにポゾランを添加することによってアルカリ・シリカ反応による膨張を抑制しようとする試みは20年前より行われている。しかし、ポゾランのアルカリ・シリカ反応に及ほす影響は非常に複雑である。例えば、一般にフライアッシュは膨張を減少させる効果をもっているが、そのような効果を示さないフライアッシュもある。したがって、アルカリ・シリカ反応を防止するのに有効なポゾランを選択するためには、ポゾランによるアルカリ・シリカ反応の防止機構を明らかにすることが重要である。しかし、ポゾランの添加によってアルカリ・シリカ反応による膨張が抑制される機構はアルカリ・シリカ反応機構とも密接な関係があり、不明な点が多く残されている。本論文は数種類のポゾランを添加したモルタルの膨張をモルタル中に含まれる反応性骨材の材令に伴う化学組成及び微小硬度の変化と関連づけることによって、ポゾランの添加によるアルカリ・シリカ反応の防止横構について2、3の考察を加えたものである。ポゾランを添加したモルタル中のオパール粒子の反応過程は、使用するポゾランの種類によって異なるようであるが、本論文では、フライアッシュを添加したモルタルにおけるアルカリ・シリカ反応の防止機構について考察する。 まとめ フライアッシュを混入したモルタル中のオパール粒子内部へのNa+、K+、Ca++の分布及びOH-の侵入及びそれらとシリカとの相互作用は、フライアッシュを混入しない場合よりも活発であること及びフライアッシュを混入することによって、オパール粒子内部に生成されるゲルのCa0含有量の高くなることが明らかになった。これらの結果は、従来のポゾランによるアルカリ・シリカ反応防止機構に関する仮説及び理論からは必ずしも予測でさるものではない。これらの事実とモルタルの膨張の抑制との関係について明らかにするためには、さらに種々のポゾランを混入したモルタル中のオパール粒子の反応過程についての実験が必要である。 |
PDFファイル名 | 005-01-0010.pdf |