種別 論文
主題 ブラックサンドを用いたコンクリートの性質について
副題
筆頭著者 畑中裕(北海道工業大学工学部)
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キーワード
5
先頭ページ 41
末尾ページ 44
年度 1983
要旨 まえがき
アルミナ製造過程においてボーキサイトからアルミナを抽出した残さいとして発生する赤泥およびブラックサンドは、従来、いわゆる産業廃棄物としてその処理を主に埋立にたより、多くの労力と多大な経費を要している.しかも、この鉱物は工場から排出された状態では多量の水分を含み(赤泥の含水比約30%、ブラックサンドの含水比15〜20%)、この水分の処理が再利用の際の障害となっている。例えばこれを乾粉とし、その主成分である酸化鉄(表−1)の錆色を利用して顔料としたり、あるいは、焼成して骨材状にしたものをカラー舗装用の骨材として利用した例があるが、これらはいずれもこの水分を処理するのに大量の熱エネルギーを要する方法である。最近、赤泥についてはセメントを混入する事により一軸圧縮強度の向上をはかり、赤土として路盤・路床の材料に利用する方法が考えられている。ブラックサンドについてはその発生率が赤泥の約1/10と少ない事、およびポルトランドセメントの鉄分補給材料としての利用が可能である事等でこれを他の材料へ有効利用する方法はまだないようである。しかし、この鉱物は粒度分布がコンクリート用細骨材に近いものである事、およびその自然含水比が15〜20%程度である事から、もし、これを自然含水状態のまゝでモルタル・コンクリートの細骨材の一部として利用する事が可能であれば、その特有のレンガ色を利用したカラー化と言う付加価値を有する省エネルギー的な産業廃棄物の再利用となるものと思われる。しかし、この鉱物は細粒分が多い事、吸水率が高い比較的ポーラスなものである事等、コンクリート用骨材として使用するには不利な点を有している。このため、施工性、強度、耐久性等の低下が予想され、これらの度合がどの程度であるかを解明する必要があり、筆者はすでにその一部として圧縮強度に関して検討し、その有効性を確かめ、概要を発表した。本研究は、水セメント比、混和剤によるコンシステンシーおよび圧縮強度の変化、さらに、凍結融解に対する耐久牲を実験的に検討し、コンクリート化の可能性を調べたものである。
結論
以上の実験結果および考察から次の結論が得られた。
1)細骨材中にしめるブラックサンドの割合が多いほどコンシステンシーが低下する。しかし、減水剤あるいはAE剤を使用することによりこの欠点は改善し得る。
2)強度を主体とする配合設計の場合は、コンシステンシーの点を除き通常のコンクリートと同様に取り扱うことが出来る。すなわち、セメント水比説が成り立つ。
3)強度的にはブラックサンドはモルタルおよびコンクリートの細骨材として十分使用可能な材料といえる。したがって、レンガ色のカラーモルタルおよびカラーコンクリートへの利用は強度的には可能である。ただし、S:B=1:3以上の混合の場合は強度を役10%程度割り引いて考える必要がある。
4)凍結融解に対する抵抗性は通常のコンクリートより低い。したがってこの抵抗性を要求される場合には慎重な検討を必要とする。
PDFファイル名 005-01-0011.pdf


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