種別 論文
主題 鉱物質微粉末のコンクリート諸性質に及ぼす影響
副題
筆頭著者 森野奎ニ(愛知工業大学工学部)
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キーワード
5
先頭ページ 109
末尾ページ 112
年度 1983
要旨 まえがき
コンクリートに関わる鉱物質微粉末は、セメントと置換して使用される高炉スラグ粉末やフライアッシュなどと、骨材中に含まれる砕石微粉末(以下、石粉と称す)や泥土などとにニ大別できる。いずれも産業副産物あるいは不純物として生じたものであるが、前2種類については、結合材および混和材としての魅力が大きいため、その使用量はますます増加しつつある。一方、石粉の活用は、20年以前に、鉱物質微粉末効果として高い評価を受けたものの、その後の進展はあまり見られない。一部のマスコンクリートなどでの利用を除いて、一般的には精々骨材中に含まれていても、許容限度以下であれば、有害ではないという程度の消極的なものである。粘土に至っては、全く評価されない。ソイルセメントに於いて、粘土鉱物とセメントの遊離水酸化カルシウムとのポゾラン反応が認められているにも拘らず、コンクリート中では、そういった効果は、他のマイナス面のために注目されないでいる。
最近、河川産骨材の枯渇に伴って、石粉や泥土が骨材に混入する機会が多くなり、混入率も増加する傾向にある。この現状に対処するためには、微粉末の影響を十分に把握することが必要であるが、従来は概して前向きには評価されていない。この原因は、石粉が強度発現に寄与する良い性質を持っていても、ほとんどの場合に単位水量が増加して、耐久性や経済性に劣ること、あるいは、混和剤の性能を低下させることなどによる。が、何よりも微粉末の物理化学的性質が、原石の種類や、骨材生産工程によって、著しく変化することにあると思われる。評価するためには、多種多様な石粉や泥土について、ある程度の適否の判断が下せる位の基礎データの蓄積が必要である。現状では、系統だてて分類・整理するだけのデータに乏しい。本研究では、構成鉱物の異なる各種の微粉末について、それらがコンクリートにどのような影響を及ぼすかを調べると共に、粘土については、混入の影響だけでなく、粗骨材に付着した状態についても検討を加えた。
まとめ
1.コンクリートに,石粉や粘土が混入することは、コンクリート強度の発現に有効であるが、流動性を考慮すると、石質の種類によって、許容されうる混入量には違いがみられる。即ち、造岩一次鉱物が風化して、粘土鉱物および,それに近くなった鉱物が含まれるほど、混入量を制限する必要がある。また、SiO2の多い酸性岩粉末よりも、塩基性岩粉末の挙動が変化に富み、特に微粉末粒子の形態が、板状および繊維状のものは注意を要する。2.粗骨材に薄く少々件着した粘土は、粘土と骨材界面の水酸化カルシウムとのポゾラン反応を考点すると、必ずしも悪影響を及ぼすとは限らない。ただしポゾラン反応の期待できる場合は、粘土鉱物と養生条件に恵まれたときである。
3.微粉末は、AE剤の空気連行量を減少させる。減少の程度は、混入した微粉末量の影響が最も大きいが、微粉末末の石質の違いによっても、連行空気量に違いがみられる。またこの程度は、AE剤の種類によって異なる。
PDFファイル名 005-01-0028.pdf


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