種別 | 論文 |
主題 | コンクリート構造に接着した仕上部材の耐震安全性 |
副題 | |
筆頭著者 | 馬場明生(建設省建築研究所) |
連名者1 | 伊藤弘(建設省建築研究所) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 5 |
号 | |
先頭ページ | 225 |
末尾ページ | 228 |
年度 | 1983 |
要旨 | まえがき コンクリート系建築物には各種仕上部材が取付けられ、美観、躯体の耐久性・防水性等の性能を向上することに役立っている。これらの部材は主としてコンクリートに接着によって取付けられており、通常における下地としてのコンクリート構造のうごきおよび地震時の水平方向変形によってはく落・ひびわれし、安全性はもちろん居住性、耐久性上問題となっている。ここでは実大のコンクリート構造物の璧体に各種の仕上材料を取付けて、静的に水平加力したときの仕上部付の破壊状態に関する実験結果について、特に、壁体の層間変位との関連でコンクリート躯体に接着によって取付けられる仕上部材の耐震安全性について報告することを目的としており、さらに仕上部材の躯体への接着強度、仕上厚さ等の仕上部材の諸元の影響についても概括的に述べる。 結論と今後の課題 以上の考察から以下のことが結論できる。 (1)コンクリート構造に接着された仕上部材は躯体の層間変位角1/800以下の小さな変形に対してもはく離するものがある。 (2)構造設計上重要な層間変位角1/200では殆どの仕上部材は大規模なはく離・ひびわれを生じる。 (3)はく離を防止するには仕上部材と躯体との接着強度を大きくすることが有効であり、はく離を完全に防止できる限界値があると考えられる。 (4)仕上厚さの大きい仕上部材ほど、躯体の変形のひびわれによるひびわれが小さくなる。 (5)仕上厚さの大きい仕上部材を金物によって取付けることによって、はく離・ひびわれの少ない仕上構法が実現できる。以上において実大構造物による地震時の仕上部材の破壊および安全性の概括的な傾向について述べたが、今後安全な仕上構法を開発するためには、安全性向上のための仕上構法の諸元についての詳細な知見を得るための基礎的な研究が必要となろう。 |
PDFファイル名 | 005-01-0057.pdf |