種別 論文
主題 曲面形状をした消波部材の力学的性状
副題
筆頭著者 清宮理(運輸省港湾技術研究所)
連名者1 横田弘(運輸省港湾技術研究所)
連名者2 西沢英雄(運輸省港湾技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
5
先頭ページ 341
末尾ページ 344
年度 1983
要旨 まえがき
海洋構造物の建設の場が自然環境の厳しく水深の大きい沖合へ進出するに伴い、海洋構造物に強大な波力が作用する可能性が生じてきた。強大な波力を低減する目的、あるいはより経済的で安全性の高い海洋構造物を建設する目的で、いくつかの新しい構造型式が考案されているが、その内の1つに曲面スリット消波構造がある。この消波構造は、図1に示すように、構造物の前面に取付けられた1/4円弧状の複数個のPC部材で構成されている、現在、曲面スリット消汲構造が取付けられた防波堤が秋田湾に試験的に設置されており、各種の現場計測が実施されている。この曲面スリット部材には、波浪作用時に内側と外側から交互に波カが作用する。作用する波力の大きさや分布形状については、水理模型実験等により調べられているが曲面スリット部材の耐力、変形性状などの力学的性質は十分に把握されていない。本報告は、曲面スリット消波構造を対称としたPC、RC曲面ばり供試体に、内側及び外側の両方向から繰返し載荷を行い、載荷方向による力学的性質の相違について検討を行ったものてある。
まとめ
外側もしくは内側から荷重が作用する場合の曲面ばり力学的性状に関して、本実験の範囲で得られた結果は以下とおりである。
(1)外側から荷重が作用する場合には、内側から荷重が作用する倍と比較して、鉄筋降伏荷重、最大愛力はたかいが靭性率は低く、かつ終局時の変形量は小さい。また両方向から荷重が作用する場合には、外側及び内側からの載荷を考慮した場合と同じ傾向示す。
(2)外側から荷重が作用する場合には、はりの変形が増しても平均剛性の低下があまり進行しないうちに破壊が生じる。しかし、内側からの荷重が作用する場合には、はりの変形とともに平均剛性が低下し、終局時付近では初期剛性の30〜40%程度の平均剛性を保持する。
(3)等価粘性滅衰率は、荷重の作用万向の相違による差はほとんどなく、紛4〜6%の値である。
(4)外側から荷重が作用する場合には、載荷点付近で圧縮破壊及びせん断破壊、載荷点より22.5°の付近で圧縮破壊が生じてはり全体の破壊に至る。しかし、内側からの荷重が作用する場合には、載荷点付近で曲げひびわれが貫通し、鉄筋が降伏した後、高造系が2本の片持ばりと等価なものになる。従って、モーメントの再配分は、端部付近に多く行われるようになる。
(5)RCはり供式体で最大ひびわれ幅傾が0.2mmとなる荷重は、外側からの荷重では約9tf、内側からの荷重では約2tfとなり、同じひびわれ幅に対して内側からの荷重はかなり小さい値となる。また、圧縮破壊を生じる位置でのひびわれ幅は、内側からの荷重が作用する場合、鉄筋のひずみ量とほぼ比例関係にあるが、外側からの荷重が作用する場合には、内側からの載荷の場合と比べて、鉄筋のひずみ畳の増加につれて、ひびわれ幅の増加は大きい、理論計算や有限要素法による非線形解析を実施して、これらの実験結果を検証、考察しており、これらについては別途発表したい
PDFファイル名 005-01-0086.pdf


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