種別 論文
主題 A1粉末を使用して一体化した逆打ちコンクリートの打継部せん断挙動
副題
筆頭著者 松岡康訓(大成建設技術研究所)
連名者1 宇治公隆(大成建設技術研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
5
先頭ページ 369
末尾ページ 372
年度 1983
要旨 はじめに
構造物が大規模になるに従い、工事の安全性、工期短縮、経済性、等を目的として地下工事に逆打ち工法が使われる機会が多くなっている。しかしながら、本工法は上方より下方へ随時躯体を築造するため、上部先打ちコンクリートと下部の後打ちコンクリートとの打継鍵部が不連続となり、構造物としての一体牲が問題となる。現在一般に用いられている逆打ち工法としては、先打ちコンクリートの下に直接、コンクリートを打継ぐ直接法、打継面のすき間にグラウトを注入する注入法、そして先打ちコンクリートと後打ちコンクリートとの間を多少残して打設し、あとからコンクリ−卜あるいはモルタルを充てんする充てん法があげられる。このうち、直接法はコンクリ−トのブリージング沈下により打継部にすき間ができる可能佐があり、打継部の一体性に問題がある。一方、注入法及び充てん法は、あらかじめブリージング沈下を見込み、後打ちコンクリート硬化後に先打ちコンクリートとのすき間を埋めて一体化させようというものであるが、工期及び経済性に難点がある。そこで本研究では、直接法に着目し、後打ちコンクリートにAl粉末を混入してAl粉末の発泡によりコンクリートのブリージング沈下を補償し、構造物としての一体化を図ろうというものである。
Al粉末の発泡により一体化した構造物に関しては、これまで物理試験、化学試験をとおして種々の検討を行なってきた。本研究は、Al粉末を使用して直接法で施工したコンクリート部材のせん断挙動に及ぼす種々の要因について検討を加えたものである。
結論
Al粉末を使用し直接法により逆打ち施工した供試体について種々の要因を検討した結果、以下の事が明らかとなった。
1)Alコンクリートで一体化した供試体の耐力は、一体ものの基準供試体に此ベ6割に低下した。しかしながら斜めひびわれ発生荷重4.35tにおけるコンクリートのせん断応力度はτ=9.9kg/cm2で、σck=240kg/cm2の許容せん断応力度τa1=4.5kg/cm2の2倍以上の値であった。
2)せん断補強筋を配置(Pw=1.12%)することにより、Alコンクリートで一体化した供試体も、一体ものでせん断補強した供試件と同程度の耐力を示し、曲げ圧縮破壊を呈した。
3)逆打ち工法で施工する場合、地震時に正負の繰り返しを受けることを考え、有効な打継ぎ角度ならびに打継ぎ形状を検討する必要がある。
4)膨張量1%のAlコンクリートを打継ぐことによって、逆打ちコンクリートの打継面を一体化させ、打鍵ぎ性能を改善できる。又、Alコンクリートは硬化前のブリージング沈下を補償するものであり、硬化後の乾操収縮を補償するために膨張材を併用したが、Alコンクリートのみでも湿潤養生の場合とほとんど同等の耐力を有しており、膨張材混入の効果は明確でなかった。
5)早期打鍵ぎの影響については、明確な差異は認められなかった。
PDFファイル名 005-01-0093.pdf


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