種別 | 論文 |
主題 | 負鉄筋の埋込み定着に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 角田与史雄(北海道大学工学部) |
連名者1 | 能町純雄(北海道大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 5 |
号 | |
先頭ページ | 409 |
末尾ページ | 412 |
年度 | 1983 |
要旨 | まえがき 鉄筋とコンクリートとの付着作用を利用して鉄筋をコンクリート中に定着する場合、定着長がいくら必要かという問題と、定着長をどの位置から測るかという問題とがある。前者は、必要定着長の算定に用いる付着強度の値がその中心課題であるのに対し、後者は、設計に用いる応力理論と実応力との関係が問題となる。すなわち、鉄筋コンクリートはりに斜ひびわれが生ずれば、はりの引張鉄筋には慣用の応力理論による計算値を上回る応力が作用することが明らかにされており、それはあたかも計算上の曲げモーメント曲線または鉄筋の引張力曲線がその絶対値が大きくなる方向にある距離だけ移動したかの如くなることから、モーメントシフトまたは引張力シフトと呼ばれている。このことから現在、各国の示方書や規準には付着強度に対する規定と並び、シフトに対する配慮が見られる。しかしそれは、はりやスラブの引張鉄筋の途中定着や折曲げ位置決定のように、スパン内でのシフトに限られており、例えば片持はりや片持板の負鉄筋の構造物体中ヘの埋込み定着等を対象にしたシフトの規定は見当らないようである。そのような状況にある中で、岡村は、フーチング中ヘの柱の軸方向鉄筋の埋込み定着を例にとり、この種の定着においてもシフトを考慮するよう推奨しており、また、土木学会が最近刊行したコンクリート構造の限界状態設計法試案の中でも・部材結合部における鉄筋の埋込み定着においてもシフトを考慮する内容となっている。しかし、これらは十分な実験的裏付けに基づいたものとは言い難い。本研究は、片持ばり等の負鉄筋の埋込み定着を例に挙げ、部材結合部における鉄筋の定着に対する埋込み長について実験的に検討を行ったものである。 結論 以上に述べた主な結果を列記すれば、継ぎのとおりである。 1)片持ばりの負鉄筋の埋め込み定着などのような部材結合部における鉄筋の定着に対しても、引張力シフトを考慮して設計を行う必要があることが実験的に裏付けられた。 2)構造物本体の上面に結合される片持ばり等の負鉄筋の埋め込み定着においては、設計上少なくとも片持ばり等の有効高さ程度の引張力シフトは考慮しなければならない。 3)構造物本体の高さの中間部分に結合される片持ばりなどの負鉄筋の埋め込み定着においては。必ずしもシフトが起こるとは限らないが、設計上は上記の場合の半分程度のシフトは考慮するのがよい。 4)鉄筋の埋込み定着において、埋込み長からシフト長を除く長さを定着長とするときの付着強度として、重ね継手における付着強度を適用したとしても実用上十分な近似となる。 |
PDFファイル名 | 005-01-0103.pdf |