種別 | 論文 |
主題 | 高性能減水剤を用いた高強度場所打ちコンクリート杭の施工 |
副題 | |
筆頭著者 | 石橋忠良(国鉄構造物設計事務所) |
連名者1 | 北後征雄(国鉄構造物設計事務所) |
連名者2 | 加藤勝美(国鉄東京第二工事局戸田工事区) |
連名者3 | 鎌田康(国鉄東京第二工事局戸田工事区) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 17 |
末尾ページ | 20 |
年度 | 1984 |
要旨 | はじめに 場所打ち杭に用いるコンクリートの許容応力度に関して、国鉄の「場所打ちコンクリートグイの設計施工指針(案)」および「道路橋示方書下部構造編」では、コンクリートの配合について単位セメント量370kg/m3以上、水セメント比50%以下、スランプ13〜18cmとし、標準養生の28日圧縮強度は300kg/cm2以上でなければならないとしたうえで、許容曲げ圧縮強度を80kg/cm2と定めている。この値は(300kg/cm2×0.8)×1/3として求めたもので、0.8は水中コンクリートに対する低減係数である。場所打ち杭は、抗本数が少ないため圧縮力の影響を大きく受け、杭径または鉄筋量が圧縮応力によって決定される場合がある。従って、コンクリートの圧縮応力を高めれば、大幅に鉄筋量を減らすことができ、場合によっては、杭径を小さくすることもできる。コンクリートの圧縮強度を高めるために高性能減水剤を用いて水セメン卜比を小さくすることとし、試験施工をおこなうことによって、得られた高強度コンクリートを場所打ち杭に用いる場合の施工性を確かめるとともに、標準養生の供試体と実際に打ち込まれたコンクリートの圧縮強度の比較をおこなった。 4.結論 試験施工の結果から概ね次のことが云えよう。 (1)目標強度500kg/cm2のコンクリートについては、単位体積重量のばらつきも少なく、比軟的安定した強度が得られ、十分実用化が可能と考えられる。しかし、目標強度600kg/cm2のコンクリートについては、十分安定した強度が得られないこと、単位体積重量のばらつきが大きいいことなどから考えて場所打ち抗への適用は現時点では難しい。 (2)材料、高性能減水剤の添加方式などが異なるが、目標強度500kg/cm2、600kg/cm2を得るための水セメント比は、40.0〜41.4%および36.2〜37.2%、セメント量は415〜420kg/cm2および460〜470kg/cm2とほぼ同程度となった。 (3)施工性については、現在用いられている呼び強度300kg/cm2のコンクリートと殆んど変わらない。 (4)目標強度500kg/cm2のコンクリートの場所打ち杭への適用を考える場合、標準養生の供試体の強度に対し、コアボ-リングにより採取した試料の強度は95%信頼限界で考えると2例を除いて、8割を上廻っている。材令28日以前に採取したコアは標準養生の供試体強度に比べて強度低下するという研究もあり、その点を考えると殆んど8割を上廻ると考えてよいと思われる。よって採用されている水中コンクリートに対する低減係数0.8はほぼ妥当と思われるが、現行の300kg/cm2×0.8の上限値は、500kg/cm2×0.8程度まで上げてもよいと考えられる。 (5)「ふりかけ添加」方式の場合の試験練りの方法については、本施工時の状態が再現できるような方法を検討すべきであると考えられる。 |
PDFファイル名 | 006-01-0005.pdf |