種別 論文
主題 凝結遅延性コンクリートを用いた打継工法
副題
筆頭著者 竹下治之(日本国土開発技術研究所)
連名者1 浅沼潔(日本国土開発技術研究所)
連名者2 岡田隆幸(日本国土開発技術研究所)
連名者3 横田季彦(日本国土開発技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 21
末尾ページ 24
年度 1984
要旨 1.まえがき
 コンクリート構造物においては、打継目は構造上の欠陥になりやすいが、構造物の形状、作業工程、コンクリート供給体制などの点から、打継目の施工は避けられない場合が多い。このような打継目の施工にあたっては、一般に、打継面を粗にし、水洗浄するか、あるいはセメントペ-ストまたはモルタルを敷いて、新旧コンクリートを一体化する方法が採られている。しかし、このような方法は非常に時間及び労力がかかると共に、鉄筋量の多いコンクリート構造物では事実上不可能に近く、しかもその施工の信頼牲は不十分であり、強度上のみならず、水密性、気密性及び耐久性の点でも問題となりやすい。
 本研究は、このような現状から、比較的長時間経て新旧コンクリートの水平打継ぎを行う場合、新コンクリート打設時に打継面の特別な処理をすることなく、構造の完全な一体化を図る打継工法について検討したものである。即ち、本工法は、旧コンクリートの打継部分に、新コンクリート打設時に再振動によって流動化が可能となるような凝結遅延性コンクリートを5〜20cm程度打設しておき、新コンクリート打設時にコンクリート振動機により凝結遅延性コンクリートと新コンクリートを同時に締め固め、構造の一体化を図る方法であり、本論文では、この凝結遅延剤を添加したコンクリートの凝結特性及び打継強度試験結果について述べる。
4.まとめ
 比較的長時間を経て新旧コンクリートの水平打継ぎを行う場合、旧コンクリートの打継部分に凝結遅延性コンクリートを使用して凝結速度を調整し、新コンクリート打設時に、旧コンクリート表面の特別な処理を行うことなく新旧コンクリートを同時に締め固め、構造の一体化を図る打継方法について、その凝結遅延性コンクリートの凝結特性及びこれを用いた打継目の強度に関して実験的検討を行った。その結果、以下のようなことが明らかとなった。
(1)凝結遅延剤の種類によって、凝結特性はかなり異なる場合がある。特に、2種類の凝結遅延剤を使用した今回の試験結果では、短期及び長期における強度発現傾向に大きな相違が見られた。
(2)凝結遅延剤の種類によって.凝結遅延性コンクリートに対するプロクタ-貫入抵抗値と圧縮強度の関係及び同一圧縮強度に対応するプロクタ-貫入抵抗値は大きく異なるため、打継時期の管理は圧縮強度による方が好ましいと考えられる。
(3)打継時の凝結遅延性コンクリートが新コンクリートと一体化する限界(打継限界)は、圧縮強度で2〜3.7kgf/cm2であったが、実工事の施工性などを考慮して、約0.5kgf/cm2程度と考えられる。また、この時期に打ち継いだ供試体の打継強度は、打継目のない基準供試体の約101〜119%であった。
(4)打継部の凝結遅延性コンクリートの層厚は、ある程度厚い方が、打継強度は大きくなる傾向になるが、実工事での施工性を考慮し、10〜15cmが適当であると考えられる。
(5)本研究で採り上げた凝結遅延性コンクリートを利用した打継方法は、打継目のない基準供試体に比べても同等以上の打継強度を有し、構造の一体化が可能な有効な打継方法と考えられる。
PDFファイル名 006-01-0006.pdf


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