種別 論文
主題 再生骨材使用コンクリートの弾塑性的性質及び耐久性
副題
筆頭著者 西林新蔵(鳥取大学工学部)
連名者1 矢村潔(鳥取大学工学部)
連名者2 林昭富(鳥取大学工学部)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 77
末尾ページ 80
年度 1984
要旨 1.まえがき
 コンクリート構造物の解体によって生ずるコンクリート廃棄物は、年間約500万mにも達するものと試算されているが、この廃棄物のごく一部が割栗石や擁壁の裏込めなどに使用されている他は、ほとんど埋立への投棄によって処分されている。しかし、コソクリ-ト廃棄物は比較的安定した物質であり、かつ特定地域に偏らずに多量に発生するものであるから、これを再利用することは省資源の立場からも望ましいことである。
 本研究は、このような観点から、コンクリート廃材をコンクリート用骨材として活用し、現在深刻な問題になりつつある河川産天然骨材の枯渇にも対処し、骨材資源の循環利用の道を確立することを目的として計画されたものである。本論文は、その中でとくにコンクリート塊を破砕して得られる再生骨材を用いたコンクリートの弾塑性的性質および耐久性について実験、検討したものである。
4.まとめ
 コンクリート廃棄物を破砕した再生骨材を使用したコンクリートの特性のうち、とくに弾塑性的性質、耐久性に関して行った実験で得られた結果を以下要約しまとめとする。
(1)再生コンクリートのヤング係数はおおむね砕石コンクリートの85%程度であり圧縮強度とヤング係数との間には直線関係が認められる。
(2)再生コンクリートの乾燥収縮は、初期にはそれほど大きくないが、最終的には砕石コンクリートの1.4〜2倍程度に達する。また最終的なクリ-プひずみ量は砕石コンクリートと比較して単位応力当りで3〜4×10-6程度大きくなる。さらに導入応力が圧縮強度の1/3以下程度であれば、Davis-Glanvilleの法則に従う。
(3)再生コンクリートの対凍結融解抵抗性は、はなはだしく劣っており、とくにAEコンリ-トとしても抵抗性を高める効果がまったくない。
(4)再生コンクリートの耐硫酸塩抵抗性は砕石コンクリートより若干低下しているが、その低下の程度は耐凍結融解抵抗性ほど著しくない。
(5)再生コンクリートの耐凍結融解抵抗性および耐硫酸塩抵抗性とも、水セメント比の影響をかなり大きく受ける。
 再生コンクリートに関する従来の研究から、再生コンクリートは強度その他の力学的特性が普通のコンクリートより若干低下するものの、それほど高品質が要求されない場合には十分利用できるとされてきたが、本研究を通して、乾燥収縮、クリ-プ、耐久性といった長期間にわたる性質に関して数々の問題があることが明らかとなった。この問題に対しては、各所で述べてきたように再生骨材中に含まれる古いモルタル分の影響が大きいと推測され、今後骨材の調整方法、配合等に関する実験、研究が必要であろう。
PDFファイル名 006-01-0020.pdf


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