種別 | 論文 |
主題 | 繊維補強コンクリートに対する産業副産物の利用 |
副題 | |
筆頭著者 | 河野清(徳島大学工学部) |
連名者1 | 堀井克章(徳島大学工学部) |
連名者2 | 大字徹(香川県土木部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 109 |
末尾ページ | 112 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき 省資源・省エネルギ-のためにあるいは環境保全のために、火力発電所、製鉄所、その他の工場から多量に排出される産業副産物を積極的に利用する研究を進めることは、非常に重要で有意義なことである。セメント・コンクリート用材料としては、従来からフライアッシュや高炉スラグといった産業副産物が使用されているが、その他の副産物については、まだ十分な研究が行われていない。 最近、複合材料として注目されている鋼繊維補強コンクリート(以下SFRCと略記)では、繊維混入率の増加に伴いワ-カビリチ-が著しく低下するという問題がある。このため、所要のワ-カビリチ-を得るのに必要な単位水量及び単位セメント量が増大する。従って、SFRCに対して、混和材として利用可能な産業副産物をセメントの一部に代替して利用できるならば、資源及びエネルギ-の節約という点できわめて好都合である。 そこで本研究では、SFRCに対する産業副産物の有効利用及び使用セメント量の低減を目的として、産業副産物であるフライアッシュ、高炉スラグ微粉末及びわが国での研究例がきわめて少ないけい酸質の超微粉末シリカフュ-ムを混和材としてSFRCのセメントの一部に代替して使用し、フレッシュコンクリート及び硬化コンクリートの緒性状についての調査を行った。 4.むすび SFRCにおいて、産業副産物であるフライアッシュ、高炉スラグ及びシリカフュ-ムを混和材としてセメントの一部に代替して使用し、フレッシュコンクリート及び硬化コンクリートの諸性状について調査した結果を要約すると、本実験の範囲内で次のことがいえる。 (1)いずれの産業副産物の場合も、その代替率の増加に従ってコンクリートの連行空気量が減少するために、所定の空気量を得るためのAE剤量を増す必要がある。 (2)フライアッシュは、SFRCのワ-カビリチ-の改善に効果があり、同一スランプを得るために必要な単位水量を低減でき、しかも単位セメント量を節約することが可能となる。 (3)シリカフュ-ムをコンクリートに使用すると、その代替率の増加に伴ってワ-カビリチ-が著しく悪化する。しかし、高性能減水剤の使用により、このコンクリートのワ-カビワチ-は改善される。 (4)いずれの産業副産物の場合も、その代替率の増加に従ってコンクリートの初期強度は低下するが、長期材令では、産業副産物を用いないコンクリートと同程度かそれ以上の強度が得られる。 以上のことから、SFRCに対しても産業副産物の利用価値は大きいことが示されたが、より経済的な配合を得るために代替率を高くした場合には、初期材令での強度発現が悪化することや、アルカリ度が低下することにより鋼繊維が腐食し易くなることなどの問題があり、今後もさらに研究が必要である。 |
PDFファイル名 | 006-01-0028.pdf |