種別 | 論文 |
主題 | コンクリートへのシリカ・フュ-ムの有効利用について |
副題 | |
筆頭著者 | 関慎吾(日本大学理工学部) |
連名者1 | 山根伸俊(日本大学大学院) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 113 |
末尾ページ | 116 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1. はじめに 近年、材料関係の講演として、アモルファス スチ-ル、シリコン等の新材料が発表され、土木・建築の分野においても、高性能減水剤、流動化剤等の混和剤やポリマ-の導入、さらに各種ファイバ-の混入等、次々と新材料が登場してきた。Silica-Fumeもその一つであり、特に最近は、省資源、省エネルギ-の観点から産業副産物のコンクリートへの有効利用が注目されている。一時期、コンクリート混和材として注目されたフライアッシュにとって替る混和材として、欧米はもちろん我国においても、種々研究されつつある。また、コンクリート界においては、ブレストレスト コンクリートの発展に伴い、コンクリートの高強度化が進んできており、さらにコンクリートポンプ工法の普及、耐震設計による鉄筋量増加、補修工事等により、流動化コンクリートの需要が増々高まっているのが現状である。 そこで本研究は、産業副産物Silica-Fumeをコンクリートへ混入することにより、セメントの水和に際して析出する多量の遊離石灰Ca(OH)2とSilica-Fumeの大部分の成分である二酸化珪素SiO2を結合させ、二次的に珪酸石灰水和物を造り、コンクリートの高強度化を試みた。さらに、コンクリートのポンプ工法を考慮し.スランプ15cm程度の流動化コンクリートを造り実験を行い、Silica-Fumeの有効利用について報告する。 5.まとめ 産業副産物Silica-Fumeのコンクリートへの有効利用について検討を行った結果を要約すると、本研究の範囲内では、次のことが言える。 (1)Silica-Fumeは、コンクリートの水セメント比が大きくなるにしたがって、強度の増加に有効に作用するものと思われる。 (2)初期材令において、十分に高い圧縮強度が要求される場合、温水養生することが望ましいと思われる。 (3)従来、初期材令において、1000kgf/cm2程度の圧縮強度を得るためには、オ-トクレ-ブ養生が通例であったが、Silica-Fumeを混入し、温水養生を行うことにより、材令7日において圧縮強度1000kgf/cm2程度を持つコンクリートの製造が可能である。 (4)Silica-Fume混入による強度増進効果は、水中養生の場合、初期材令においてあまり効果はみられないが材令とともに効果があらわれ、たとえば、貧配合コンクリート(単位セメント量=200kg/m3)の場合、材令91日において、約600kgf/cm2程度の圧縮強度をもつコンクリートが得られるものと思われる。 (5)Silica-Fume混入コンクリートは、プレストレスト コンクリート構造物の定着部、コンクリートパイルの頭部および先端部、コンクリートセグメントの接着部等に使用することにより、大きな効果が期待できる。 |
PDFファイル名 | 006-01-0029.pdf |