種別 論文
主題 低温環境(0〜-10℃)下におけるコンクリートの強度発現性に関する実験的研究
副題
筆頭著者 西条修(日曹マスタ-ビルダ-ズ中央研究所)
連名者1 増川勲(日曹マスタ-ビルダ-ズ中央研究所)
連名者2 能町宏(日曹マスタ-ビルダ-ズ中央研究所)
連名者3 児玉和巳(日曹マスタ-ビルダ-ズ中央研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 145
末尾ページ 148
年度 1984
要旨 1.まえがき
 寒冷期におけるコンクリートの通年施工は、技術的にも経済的にも問題があり、各所で調査研究が行われている。従来から寒中コンクリート用混和剤として、一般にAE減水剤促進形が用いられているが、温度条件が厳しい場合は十分な初期養生等を行わないと、コンクリートに所要性能が得られない危険性がある。また、防凍剤や耐寒剤と称されているものは使用実績も少なく、塩化物を主成分としていることから、鉄筋の発錆面で使用にも限界がある。今回、寒冷期におけるコンクリートの施工に対し、打設後の加温養生を行わなくとも、気温が0〜-10℃程度であれば、通常のシ-ト養生を行うだけで所要の性能が得られる無塩化物タイプの寒冷期用特殊混和剤を開発した。本報告は、この特殊混和剤を用いたコンクリートについての強度発現性と耐凍害性を試験するとともに、低温環境下での強度発現機構をセメント硬化体の組織構造の面から検討を加え、その解明を試みたものである。
4.まとめ
 新たに開発した寒冷期用特殊混和剤Aに関する本実験結果から次のようなことが明らかになった。
1)セメントペ-ストの低温時での強度発現機構
混和剤Aを添加したセメントペ-ストの凍結温度は添加量の増大とともに低下し、-4〜-7℃となる。また、セメント硬化体の-5℃および-10℃での強度発現は材令とともに増大し、正常な水和反応が見られ細孔径分布は無添加の5℃と同等で全細孔容積も小さく、走査型電子顕微鏡観察においてもセメント粒子間は水和物で密実に埋められていることか認められた。
2)コンクリートの強度発現性および耐凍害性
混和剤Aの3l/C=100kg使用でAE減水剤促進形と同等な減水率が得られ、標準養生強度に比べ4l/C=100kg用いた-5℃および5l/C=100kg用いた-10℃の材令28日強度はそれぞれ36〜62%および22〜40%得られる。また、28日間冷却後、実気温を想定した養生条件における材令6ヵ月強度は標準養生の材令28日と同等となり、正常な強度増進を示した。
 なお、ただちに冷却した場合に比ベ5℃で前養生を4時間以上とれば30〜45%の強度増大となり耐凍害性も所要の空気量と前養生時間があれば確保できる。
自然環境条件をシュミレ-トした5--10℃の温度サイクルにおける強度発現は材令28日で標準養生の60〜68%得られ耐凍害性も良好であった。
PDFファイル名 006-01-0037.pdf


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