種別 | 論文 |
主題 | 経年RC構造物におけるコンクリートの中性化と鉄筋の腐食 |
副題 | |
筆頭著者 | 嵩英雄(竹中工務店技術研究所) |
連名者1 | 和泉意登志(竹中工務店技術研究所) |
連名者2 | 友沢史紀(建設省建築研究所) |
連名者3 | 福士勲(住宅都市整備公団住宅都市研究試験所) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 181 |
末尾ページ | 184 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき 近年、省資源・省エネルギ-が社会的要請となり、建築物においても耐用年数の向上が重要な課題となっている。耐用年数を向上させるためには、既存建築物についての保全技術の開発および新設建物についての耐久性向上のための設計・施工技術の開発が必要であり、建築物の品質保証の面からも重要な課題である。これらの技術を開発するには、まず既存建築物の劣化現象・劣化要因の実態を調査把握する必要がある。 一般のRC構造物の耐久性を評価する上で、コンクリートの中性化と鉄筋の腐食は最も重要な劣化現象とされており、これらに及ぼす要因とその効果については多くの報告がある。要因効果を検討するためには、自然条件下における既存構造物の実態調査を行うことが最も確実な方法であり調査報告も少なくない。しかし、これらの報告は単一構造物によるものがほとんどであるため、得られたデ-タが特殊解であり、その上調査方法や取り上げた要因がそれぞれ異なっているため、まとめて分析することが困難である場合が多い。 本報告は、過去数年間において統一された調査方法によって実施された、経年RC構造物におけるコソクリ-トの中性化と鉄筋の腐食に関するデ-タを基に、各種要因とその効果について統計的に分析したものである。 5.まとめ 本実態調査の範囲内において、以下のことが判明した。 1)仕上げなしの場合、屋内の中性化速度は屋外の約1.7倍であった。 2)中性化速度は、透気性の小さい仕上げ材によって抑制され、その中性化比率はJASS5に示されている値にほぼ等しかった。 3)中性化領域が鉄筋に到達すると仕上げ材の種類に関係なく鉄筋が腐食し始め、以後中性化が進行するに従って腐食が進む。 4)鉄筋は屋内より屋外の場合に腐食し易い。屋外では中性化領域が鉄筋に到達すると急速に腐食し始めるが屋内では中性化領域での鉄崩腐食は比較的ゆるやかであった。 5)鉄筋の腐食程度を支配する最大の因子はコンクリートの中性化であり、中性化領域に存在すると水分量が大きな因子となる。 |
PDFファイル名 | 006-01-0046.pdf |