種別 論文
主題 養生(暴露)方法をかえた各種セメントモルタルの基本的性質
副題
筆頭著者 依田彰彦(足利工業大学工学部)
連名者1 横室隆(足利工業大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 201
末尾ページ 204
年度 1984
要旨 1.まえがき
 本研究は今後建築分野のマスコン用及びケミカルレジスタンス用として大いに使用されるであろう、中庸熱セメント・高炉セメントB種及び耐硫酸塩・V型セメントの特性をより明確にすることを目的として表-1・図-1に示す養生(暴露)が同一調合の各種セメントモルタルの諸性質に及ぼす影響を究明した。
6.結論
本研究結果から結論として次のようなことがいえよう。
6.1曲げ・圧縮強度
a. 20℃水中養生及び屋外暴露では従来いわれているような各セメント特有の強度発現傾向を確認した。
b. 10%CO2促進をするといずれのセメントモルタルの曲げ・圧縮強度は大きくなる。とくに中庸熱セメントは著しく大きい。これは後述している通り中性化速度が速いこと、ト-タルポロシチ-が大きいことに起因する。
次に強度比が大きいのはV型及び耐硫酸塩セメントで、中庸熱セメントより程度は小さくても同様の理由によるものと思われ、発表者が既に報告した通りである。以下は高炉B種、普通セメントの順であった。
c. 20℃・60%室に放置した場合中庸熱セメントは敏感に悪影響を受けた。この理由は供試体の大きさにも影響するが材令28日から放置した実験のために放置に耐えるだけの十分な強度を保持していなかったためといえよう。
d. 2%HCl溶液中に浸漬すると供試体表面から劣化するために同一材令の20℃水中強度を下回った。
6.2長さ及び重量変化率
一般にモルタル供試体は長さが膨張するものは重量が増大し、長さが収縮するものは重量が減少するパタ-ンが多いが、今回の場合も10%CO2促進だけは長さが著しく収縮し、重量が若干増加する傾向が認められた。
6.3中性化深さ及びポロシチ-ならびに鉄筋の発錆状況
a. 中性化探さはCO2濃度が10%の促進方法が著しく大きく、以下、CO2濃度が0.15%の20℃・60%室、CO2濃度0.03%の屋外、2%HCl溶液中であった。とくに10%CO2促進の場合、中庸熱セメントが著しく速かった。
b. T.P.Vは養生(暴露)方法、セメントの種類によって明らかに差違がある(表-5参照)。
c. 同じ20℃・60%においてCO2濃度10%と0.15%とを比較すると前者はいずれのセメントとも曲げ・圧縮強度が大きい。収縮は大きい。重量は増える。T.P.V.は小さい。このことから発表者がいっている通りセメントモルタルが中性化すると強度は高く、長さは収縮し、重量が増加し、ポロシチ-は小さくなることを再確認した。
d. 鉄筋の発錆は材令365日現在、全く認められていない。
PDFファイル名 006-01-0051.pdf


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